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プログラマーSEのリーダー経験は転職に有利?経験者が答えます

2015年10月1日に投稿 → に更新 キャリア アフィリエイトリンクを含みます

メガネをかけた男

「リーダー経験があると転職に有利って聞くけどどうなんだろう?…」
「リーダーやマネジメントよりコード書く仕事が好きなんだけどな…」
「リーダーやりたいとは特に思わないんだけど転職に有利ならやっておいた方がいいのかなぁ…」

エンジニアの転職に関するWebサイトや雑誌・書籍なんかを見ると、「リーダー経験」の重要性を説いているものをよく目にします。

「企業は、いちエンジニアとして優秀な人よりもプロジェクトのリーダーを担える人材を求めている!」

なんてことがこれ見よがしに書かれています。

ただ、これって受託開発のSIerだけの話なんです。

私はこれまでに三度転職し、

SIer、上場企業、流通業グループIT子会社、大手ブログサービス運営企業

など、いろいろな会社で、

業務システム → ECサイト → スマホゲーム

と、様々な仕事をして、働き方も

正社員 → フリーランス → クラウドソーシング

と幅広くやってきました。

すると、転職系のWebサイト・雑誌・書籍に書かれてることの嘘と真実が見えてきたんです。

そんな経験を踏まえて「リーダー経験と転職の関係」について書いてみます。

人売りSIerは、「単価の高さ」と「外注搾取」が命

2ちゃんねるでは受託開発のSIerを人売りSIerと揶揄しています。企業からシステム開発の依頼を受けて、「一か月80万円で一人エンジニアを派遣します!」みたいな派遣ビジネスをしている会社のことです。

人を派遣することで利益を得ているので「人売り」とか「人身売買」とかって言われています。ちょっとオーバーな言い方すぎですけどね。

SIerでは、ひと月いくらで人を送り込めるか、つまりはエンジニアの単価が高い程、売り上げが増えるので、単価の高い社員ほど高評価がなされます。

単価はプログラマーよりもSE、SEよりもチームリーダー、チームリーダーよりもプロジェクトリーダー・マネージャーの方が高くなります。

加えて、リーダー・マネージャーとしてプロジェクトに参加すると、お客さんとの親交が深くなり、実装工程などで要員追加する際に自社からの要員を入れやすくなります。「リーダーの○○さんの会社の要員でしたら、信頼できますね」となりやすいんです。

リーダーとメンバーの売上額・利益額の違い

例えば、社員AをチームリーダーとしてB社のCプロジェクトに参加させて、下請け企業Dの要員5人を追加投入したとします。A社からはひと月あたり以下の報酬がもらえます。

社員A:90万円(リーダー単価)
下請け要員1:70万円(プログラマー単価)
下請け要員2:70万円(プログラマー単価)
下請け要員3:70万円(プログラマー単価)
下請け要員4:70万円(プログラマー単価)
下請け要員5:70万円(プログラマー単価)

合計 90万円 + (70万円 × 5人) = 440万円の売り上げ

下請け要員の会社には一人に月60万円支払う場合、この会社の利益は以下のようになります。

下請け要員1:70万円 – 60万円(下請け企業Dへの支払い) = 10万円
下請け要員2:70万円 – 60万円(下請け企業Dへの支払い) = 10万円
下請け要員3:70万円 – 60万円(下請け企業Dへの支払い) = 10万円
下請け要員4:70万円 – 60万円(下請け企業Dへの支払い) = 10万円
下請け要員5:70万円 – 60万円(下請け企業Dへの支払い) = 10万円

合計 10万円 × 5人 = 50万円の利益

社員Aの給料 + 関節費用が月額50万円だとすると、90万円 – 50万円 = 40万円の利益

利益の合計 50万円 + 40万円 = 90万円

まとめると、リーダーである社員Aは会社にひと月あたり

  • 440万円の売り上げ
  • 90万円の利益

をもたらしています。

これとは逆に社員ZをプログラマーとしてB社のCプロジェクトに参加させた場合、

社員Z:70万円(プログラマー単価)

のみしか、もらえません。会社の利益は

社員Z:70万円 – 社員Zの給料30万円 = 40万円

社員Zは会社に月40万円しか利益をもたらしていないというわけです。

リーダーをやっている社員Aが90万円なのに対して半分以下の利益にしかなってません。

かんたんに言うと、リーダーは下請け要員からのピンはねがある分会社にもたらす利益が大きいということです。

自社サービス運営企業はプログラマーへのリスペクトが高い

SIerだと、プログラマーよりSEが偉い、SEよりリーダー、リーダーよりマネージャーが偉いというヒエラルキーがありますが、自社サービス運営企業にはそんなものはありませんでした。

そもそもSEというポジションがありません。

  • プログラマー(エンジニアとも呼ばれる)
  • デザイナー
  • プランナー
  • ディレクター
  • プロデューサー

プログラマーはプランナーの考えた仕様をデザイナーの考えたデザインで動くプログラムを作ります。
そこに上下関係はありません。それぞれが自分のできることをして、それが合わさってサービスができ上がります。お互いをリスペクトする関係になっているんです。

SIerの場合、マネージャー・リーダーの指示のもとプロジェクトが進行していきますが、自社サービス運営企業ではそういった雰囲気はなく、達成すべきことに向かって、それぞれができることを出し合っていくという雰囲気なんです。

で、結局リーダー経験は転職に有利なの?

冒頭で述べた通り、SIerならば、リーダー経験があったほうが間違いなく有利です!ですが、リーダー経験がないからといって転職できないわけではありません。私の一度目の転職は25歳のときですが、リーダー経験なんて全くありませんでしたが、いくつも内定を余裕でもらえました。

二度目の転職は31歳の時でリーダー経験もありました。とはいえ、SIerの面接では、リーダー経験について熱心に聞かれましたが、自社サービス系企業の面接ではリーダー経験よりも技術スキルについての話が中心でした。

ということで、応募する求人のポジションにもよりますが、リーダー経験がなくても、採用する企業はたくさんありますし、リーダー経験を活かしたいなら、そういうポジションの求人に応募すればいいだけです。

つまりは、

「自分が今持っているものを活かす!」

ってことなんだと思います。