優秀な女性プログラマー・SEがいない理由
差別的なタイトルだなと思われたかもしれませんが、正確には
「(今まで私が働いていた職場に) 優秀な女性プログラマー・SEがいなかった理由」
です。
もちろん、一人も優秀な人がいなかったかというとそんなことはありませんが、優秀な女性エンジニアは非常に少ない印象です。
ソフトウェア開発の現場に女性自体が少ないのもありますが、それにしても、
「女性で優秀なプログラマー、SE、PMって滅多にいない」
そんな気がします。
よく言われている俗説で、
- 女性は感情的で男性は論理的
- プログラマーやSE、PMには高い論理的思考力が必要とされるから男性に向いている職業だ
というものがありますが、本当にそうでしょうか?
女性でも論理的な人はいるし、男性でも非論理的な人はいます。
性別による能力差ではなく、”別の理由がある”ように思うんです。
あるベンチャー企業で働いた結果、その答えがわかったので紹介します。
Contents
あるファッション系スマホアプリ開発の光景
私が参加しているゲーム開発プロジェクトのとなりにファッション系スマホアプリのプロジェクトがありました。
女性向けファッション系アプリなのでチームリーダーも女性でメンバーも半数以上が女性でした。
時々ミーティングなどの話し声が聞こえてきたのですが、女性メンバーがプロジェクトを引っ張ってる感じでした。
そんな光景を見て、私は気が付きました。
私が今まで働いてきた職場に優秀な女性がいなかった理由は、「女性が能力を発揮できる環境ではなかったから」なのだろうと。
自己イメージの高さがその人の能力を決める
脳科学やコーチングの世界では自己イメージの高さがその人の能力を決定すると言われています。
自分を優秀なプログラマーだと思っている人は無意識のうちに優秀なプログラマーの振る舞いをします。
- 本屋に行けば、自然とソフトウェア技術書の棚に足が向かう
- ブラウザを起動すれば、自然とソフトウェア技術のページを読んでいる
その結果、開発時に素晴らしいコードを書けます。
逆に自分をダメなプログラマーだと思ってる人は自然と無意識のうちにダメなプログラマーの振る舞いをします。
本屋に行ってもブラウザを起動してもソフトウェア開発に関係のない情報に目が向きます。その結果、知識が身につかず仕事もできるようになりません。
人は自己イメージ通りにしか行動できないので、自分をダメプログラマーだと思ってる人が技術書を読むことはありません。そんなことをしたら、ダメプログラマーである自分を維持できなくなってしまうからです。変な話ですが、そういうものです。
あなたも思い当たることがありませんか?
「言われてみれば…、“自分はこういう人間だ”っていうイメージ通りの行動しかしてないな…」と。
これと同じように自分を内向的だと思ってる人は初対面の人とうまく話せなかったりします。
私の場合、幼い頃から母親に「あんたは気が小さくて引っ込み思案だ!」と言われて育ちました。そのせいか、「自分は人と話すのが苦手なんだろうな…」という思いが心の中にありました。
しかし、自己イメージが自分の能力・特性を決めるということがわかった瞬間、
「自分は気が小さいのではなく、気が小さいと思いこまされていただけだ」
ということに気がついたんです。
「案外自分って大胆な発言もするし、全然気小さくないよな」と感じるようになりました。
すると、能力やふるまいも一気に変わったんです。自己イメージの力はそれくらい大きいんです。
役割が自己イメージを作る
自己イメージってどうやってでき上がるのでしょうか?
多くの場合、自己イメージは過去の体験によって作られます。
例えば、
- 仕事がうまくいったら →「私は仕事ができる人間だ!」
- リーダー職を任されたら →「私はチームを率いるリーダーだ!」
という自己イメージになります
つまり、役割が自己イメージを作るんです。仕事で重要な役割を任された人の自己イメージは高くなります。
逆に重要な役割を任されない人の自己イメージは上がりません。役割がその人の能力を育てるんです。
ですから、優秀な女性プログラマーがいない職場は、
“女性に重要な役割が任されていない”
ということです。
思い返してみれば、私が今まで仕事をしてきた職場では、
- 女性に重要な役割を任せていなかった
- 女性を下に見ている雰囲気さえあった
のです。仕事で目立つ女性がいると「女のくせに生意気だ!」みたく言う人までいました。
そんな職場ではいくら優れた素質を持っていても能力を発揮することは難しいでしょう。能力を発揮したら「女のくせに…」と言われてしまいますからね。がんばっても損です。
同様に、若手社員が活躍していない職場なら、
- 若手に重要な役割が任されていない
- 若手が活躍すると「若造のくせに生意気だ!」みたいな空気がある
のかもしれません。よく「若手社員が使えない」と言う人がいますが、その前に若手社員が活躍できる職場になっているかを確認すべきなんです。
ダメな人を非難する前に役割を見直せ
役割が自己イメージを作り、自己イメージがその人の能力を決定することがわかると、ダメな人への見え方が変わります。
ダメな理由が本人の素養・努力不足のせいではなく、その人に適した役割が与えられてないことが原因かもしれません。
ですから、その職場でうまく機能していない人がいたら、役割を見直せばいいんです。
フェアな職場で仕事しよう!
「役割を見直せと言われても、自分にはそんな権限はない」という方も多いかと思います。
上司に働きかけてもおそらく無駄でしょう。
「女性のくせに生意気だ」「若造のくせに生意気だ」などという職場にいる上司は聞く耳を持たないでしょうからね。
ですから、そういう職場にお勤めの場合は転職するのが一番です。
転職活動すると、いろいろな会社や仕事を知ることができて、自分が本当にやりたかった仕事が何なのかも見えてきます。