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プログラマーSEが顧客をうまく誘導するコミュニケーション術

2014年12月3日に投稿 → に更新 コミュニケーション アフィリエイトリンクを含みます

顧客を誘導する女性

受託開発をしているSEやプログラマーの方でお客さんとのコミュニケーションがうまくいかなくて困っているという方は多いかと思います。

私も以前は苦労していたのですが、あることに気づいてからは、思うようにお客さんを誘導することが出来るようになりました。

その「あること」を紹介します。

2パターンの顧客

受託開発の顧客企業の担当者は2パターンあります。

  1. エンドユーザー部門の社員
  2. 情報システム部門の社員

私の場合2の情報システム部門の社員を相手にしていたことが多かったので、この記事では、主にこちらを対象にしたコミュニケーション術を紹介します。もちろん、エンドユーザー部門の社員に対しても有効な方法です。

顧客は理由があると安心する

私は客先常駐の受託開発を10年以上やっていたのですが、いろいろなお客さんを担当していていく中で共通点があることに気が付きました。

「顧客は皆、理由を求める」のです。

例えば、新規に開発するシステムの基本設計をお客さんに説明して、「これでいいですか?」と聞くと、よく聞かれることがあります。

「このシステムの要件はなんですか?それが分からないと、いいのか悪いのか判断できません。」

「要件は要求定義書に書いてあるから読んでおけよ」と言いたいところですが、顧客相手にそう返すわけにもいきません。また、基本設計のレビューにだけ呼ばれた人の場合、要求定義書を読んできていないなんてこともよくあります。

なぜ、顧客は要件を確認したがるのか?

私が予想するに企業の情報システム部員はユーザー部門の担当者から、システムについての説明を求められます。「なんで、このシステムはこうなってんだよ、こう変えてくれよ」等とクレームを受けることもしょっちゅうでしょう。

そこで反論するための「理由」が必要なんです。

先程の例「なんで、このシステムはこうなってんだよ、こう変えてくれよ」と言われた時に、要件定義書を持ってきて、「このシステムの要件は○○です。この要件を満たすためにこの機能はこのようになっているのです。だから変えることは出来ません。」と返答したいんです。

ですから、お客さんがなかなか仕様を了承してくれない場合、理由を明確に示しながら説明すると了承してくれる可能性が高くなります。

お客さんから他部門からの問い合わせで答えに困っているという相談を受けたら、明確な理由付きの返答を用意してあげればいいんです。

選択肢を与えて顧客が「仕事してる感」を演出する

情報システム部門の社員はユーザー部門の社員から文句を言われ、その文句をそのまま業務委託のSEやPMに伝え、対応策をSEやPMから聞いてそのままユーザー部門に伝えるといった伝言ゲームをする場面が多々あります。

「どうせ俺たち社内SEなんて業務のこともITのこともよく分かっていない中途半端なやつさ」とすねているかもしれません。確証はないですが、社内SEの人の中には異様に偉そうだったり、異様におどおどしてる人が多く見られます。

異様に偉そうなタイプは、ユーザー部門から文句を言われたストレスを業務委託のSEやPMにぶつけているのでしょう。

逆に異様におどおどしてる人はユーザーから言われた業務のこともよく分からないし、SEから言われたITのこともよく分からないという板挟みの中で自信をなくしてしまったのでしょう。

どちらのタイプにせよ、仕事に充実感がないことが問題です。仕事に充実感があればSEにストレスをぶつけることも、異様におどおどすることもなくなるはずです。

そこで仕様を決めるとき等に選択肢を用意してあげます。選び方も教えてあげます。

例えば、「このような2つの選択肢があって、選択肢1のメリット・デメリットは~です。選択肢2は~です。私としては選択肢2の方が~という理由で良いと思います。私の場合、技術者の観点で考えてしまいがちなので、ビジネス視点も含めて総合的な判断をしていただけたらと思います。」

と言えば、お客さんとしても

「なるほど、選択肢2の方が良いんだな、おれちゃんの総合的判断を加えて、・・・よし、選択肢2にしよう!」

となるわけです。実際は私たちが誘導した通りの選択をしているだけなんですが、お客さんは仕事してる充実感を感じるはずです。

このようにして、選択肢と明確な選択基準を与えたうえでお客さんの顔を立てると仕様策定はスムーズに進みます。

心理操作よりもソフトウェアエンジニアリング

っとまぁ、色々試行錯誤することで、顧客折衝のコツが分かり仕事がスムーズに進められるようになったのですが、お客さんの心を誘導する割合が高くて、エンジニアとしての本質的な仕事(ソフトウェア開発における技術的なチャレンジ)が出来ていないと感じ、現在は、業務システム開発の仕事は辞めて、今はスマートフォンのゲーム開発をしています。

なので、ここまで顧客の心理誘導の話をしておいてなんなのですが、今の職場がつまらない心理戦ばかりで、仕事としてのやりがいがないという場合は転職した方が良いと思います。

転職してみてわかったのは、「興味のある仕事をするってやっぱいいな!」ということです。朝起きた時の感覚が違います。「会社行くのめんどくせー」って感じじゃないんですよ。「よし、行くか!」って感じなんです。この違いは大きいですよ!