プログラマーSEが『伝わる文章・メール』を書く方法
「文系の人はコミュニケーションが得意で、理系の人は苦手」
みたいな捉え方があります。プログラマーやSEは理系職なのでコミュニケーションが苦手と見られがちです。
コミュニケーションとは意思疎通することです。
意思疎通とは相手の意思を理解し、自分の意思を伝えることです。
意思を正確に伝えるという意味では、むしろ理系だったりプログラマーのような論理的思考力の高い人のほうが得意なんじゃないかとも考えられます。
そんなプログラマーの能力を活かした「伝わる文章・メールの書き方」を紹介します。
論理が意味を伝える
理解しやすい文章とは論理構造が正しい文章です。
同じ内容でも、話の順序・構造を変えてしまうだけで、わかりやすくもわかりにくくもなります。
プログラミング言語って100%論理的です。しっかりとした論理構造を持っています。じゃないとコンパイルエラーになりますからね(笑)
毎日100%論理的な文章(ソースコード)を書いている私たちエンジニアにとって日本語で論理的な文章を書くのは容易いことです。
ですから本来、私たちが書く文章・メールは伝わりやすいはずなんです。
しかしながら、
- エンジニアの文章はわかりにくい
- プログラマーってコミュ障多いよな
などと言われることがあります。
これらは少しポイントを意識するだけで、改善できます。
書く時に意識すべきポイント
1. 先に結論を書く
これはビジネス書とかでもよく言われていることです。
論理的に何かを説明しようとすると、「これは、こうで、こうで、こうだから、こうなんです。」と結論を最後に持っていってしまいがちです。
日本語はヘッドファイナル言語と言われていて、重要な部分を最後に持ってく性質があるので、結論を最後に持っていきやすくなります。
例えば、
「私は昨日、渋谷に行きました。」
の場合、「私は昨日、渋谷に行き…」の段階では結論が決まっていません。「行き…ませんでした。」と最後に意味をひっくり返すことができるわけです。
それに対してヘッドファースト言語である英語だと、
I went to Shibuya yesterday.
となります。”I went”(私は行った)と初めに結論を述べています。
これは一つの文の中での話ですが、複数の文で成り立つメールやドキュメントを書く際にも、最初の文で結論を述べるように意識すべきなんです。
すると読む側は先に結論を理解した上で先を読み進めることができます。
例えば、以下のようなメール文
石田課長
先日、○○株式会社の田中様と仕様について話し合っていた際に、激昂して怒鳴ってしまいました。
その場は、井上さんが丸く収めてくれたのですが、田中さんの怒りは収まらず、契約を打ち切ると行っているそうです。いっしょに謝りに行っていただけないでしょうか?
よろしくお願いいたします。
これだと、最後まで読まないと「いっしょに謝りに行ってほしい」というのがわかりません。
これくらい短い文章であれば、最後まで読むのもすぐですが、もっと長いと読んでる最中に「だから、何が言いたいんだ?趣旨がわからん」とフラストレーションが溜まります。
それに対して、次のメールを見てみましょう。
石田課長
○○株式会社への謝罪に同行していただきたくメールしました。
というのも、先日、○○株式会社の田中様と仕様について話し合っていた際に、激昂して怒鳴ってしまいました。
その場は、井上さんが丸く収めてくれたのですが、田中さんの怒りは収まらず、契約を打ち切ると行っているそうです。
よろしくお願いいたします。
はじめに結論があってわかりやすいですよね。
これと近いものでもう一つポイントがあります。
2. 大きいレベルでの説明(小見出しやサマリー)を先に書く
先にざっくりとした説明を書いたほうがわかりやすくなります。
石田課長
○○株式会社への謝罪に同行していただきたくメールしました。
①打ち合わせでの無礼
先日、○○株式会社の田中様と仕様について話し合っていた際に、激昂して怒鳴ってしまいました。
②その後の状況
その場は、井上さんが丸く収めてくれたのですが、田中さんの怒りは収まらず、契約を打ち切ると行っているそうです。
よろしくお願いいたします。
①②の部分がポイントです。
短いメールなので効果を感じにくいですが、もっと長いものだと、先に簡潔な見出しがついていることでとても理解しやすくなります。
読み手は、見出しを見ただけで「ああ、こういうことについての内容なんだな」とわかった上で先を読められるので読みやすいんです。
こういったちょっとしたことをするだけで、エンジニアが書くもともと論理的な文章が読みやすい見栄えに変わり、読んだ人の評価がぐんと上がると思います。