プログラマーSEが『手を動かす仕事』の重要性
年齢が上がっていくと、部下に指示をするだけになり実務から遠ざかるという方は多いかと思います。
私も30代になってから、上流工程とPMだけを担当して実装作業を全くしない時期がありました。
作ろうとしているシステムの目的も仕様も分かるのですが、自分で実装しないため、「なんかしっくりこない、そんな感覚がありました。顧客に質問されて、それに答えていてもなんとなく地に足がつかない…、そんな感覚でした。
その理由は「自分が手を動かしてないから」なんです。
私がPMをやったそのプロジェクトはAndroidアプリの開発でした。私はWeb系の開発はたくさんやってきましたが、Androidアプリのコードは書いたことがなかったから、なおさらシステムへの実感がわきにくかったんです。
手を動かし試行錯誤してコードを書いていないと、わかってるようで、わかっていないトンチンカンなことを言う、そんな人になってしまいます。
これに加えてもう一つ、「手を動かす仕事をすべき理由」を転職エージェントから聞いたので、紹介します。
ITエンジニア共通の不安
多くのITエンジニアには以下のような疑問・不安があります。
- 50代になった時にどんな仕事してるんだろう?仕事あるのかなぁ?
- 50代でリストラされたらどうなるんだろう?
システム開発の職場に50代の人ってかなり少数派ですよね。いても、課長・部長のような管理職で現場でバリバリやってる人は希少です。
PMで50代の人は割りといますが、実質なんの仕事してるんだかわからないような、
「いてもいなくてもいっしょなんじゃないか?」
みたいな存在感だったりします。
「自分が50代になった時にリストラされたり、会社が潰れたりしたらどうなるんだろう?」そんな不安がありますよね。「いてもいなくてもいっしょな仕事」をしていたら再就職は難しいでしょうし。
そこで、転職エージェントの人に聞いてみたんです。
「50代で転職ってできるんですか?」
「50代で我々の転職サービスに登録される方はけっこうおられます。年齢的に苦戦される方が多いのですが、見つかる方はすぐに見つかります。
先日もビックデータ解析のエンジニアの方は40代後半でしたが、引く手あまたで、年収も高く提示されて、内定もいくつも出てました。特殊なスキルをお持ちの方は強いです。」
とのことでした。そこで、
「特殊なスキルって誰でも身に着けられるものではないですよね。ふつうのエンジニアはどうすればいいんですか?」
と聞いてみました。
年齢が上がっても再就職しやすい人の特性とは?
「手を動かす仕事をされてる方は年齢が高くても、採用されています。逆に管理職やってました。みたいな方は苦戦されてますね。」
なんだそうです。よくあるダメな面接例で「あなたはどんな仕事ができますか?」と聞かれて
「部長をできます…」
と答えて、苦笑いされるみたいな笑い話をよく聞きますが、そういう人だと、実際再就職は難しいんだそうです。
なので、管理職になっても、できるだけ手を動かす機会を作ったり、でき上がったプロダクトのコードを読んでみるなどをしたほうが良さそうです。
もう一つエージェントが言っていたのが
「性格が謙虚な方が採用されてる印象があります。IT企業って若い方が多いので、採用する側も高齢の方を採用する際に、若い社員とうまくコミュニケーションをとれるかどうかを心配されます。ですから年上だからと横柄な態度をとるような方は採用されませんね。」
というもので、これは当たり前な気がしますよね。
年上だから偉いっていうのも意味分からないし、前職で部長やってたからって、新しく入った会社では新入りなのだから、偉そうにする方がおかしいですからね。
これ聞いて思ったのは、「手を動かしていないから偉そうになっちゃうんじゃないかな」ということです。
指示だけしてると、横柄になる?
手を動かしてコードを書いていると、難しいエラーに出くわしたり、何時間も掛けてデバックした結果、しょうもないイージーミスが原因だったなんでことがあって、「自分もまだまだだなぁ」と謙虚な気持ちになれます。
それが、部下に指示するだけだと、そういった試行錯誤を経験せず、苦労せずに知らぬ間にシステムが完成するので、大柄な気持ちになってしまいやすいのだと思います。
そんなわけでいろいろな意味で、「手を動かす仕事」の重要性を再認識しました。