なぜプログラマー・SEにうつ病や精神を病む人が多いのか?
「急に会社来なくなる人たまにいるよね…」
私は十数年ソフトウェア開発の仕事をしています。大抵はふつうの健康な人たちでしたが、うつ病になってしまった人も何人か知っています。
そこで今回は「なぜプログラマー・SEにうつ病や精神を病む人が多いのか?」について考えてみます。
Contents
プログラマー・SEのストレスってこんなにある
大まかに分けると、以下のようなストレスがあります。
- プログラミングが難しいというストレス
- 納期が決まっていて時間に追われるストレス
- 職場のコミュニケーション不備によるストレス
1.プログラミングが難しいというストレス
プログラムにはかんたんなものと難しいものがありますが、いずれにしても、人間の思考をコンピュータの思考に変換するむずかしさがあります。
人間がこういうソフトウェアを作りたいと頭で思い描いたものをソフトウェアとして実装するには、コンピュータの言葉(プログラミング言語)に変換しなければなりません。
人間の言葉は多少助詞の使い方を間違えても意味が通じますが、コンピュータの言葉は一文字でも間違うとエラーやバグになってしまいます。
人間の場合、多少あいまいな言葉で伝えても聞いた側が気を利かせてうまくやってくれることがありますが、コンピュータは、気を利かせてくれません。
指示したとおりにしか動かないので、完璧な指示をしなければなりません。
プログラミングには、こういうしんどさがありますよね。
2.納期が決まっていて時間に追われるストレス
ソフトウェア開発には納期があります。システムのリリース日が決まっていてその日までにソフトウェアを開発しなければなりません。
十分な期間がなければ、作業時間を増やすために残業することにもなります。
開発している途中で仕様が追加・変更されて予定通りに行かないことも多々あります。
時間に追われる、かつ、予定通りに行かないという二つのストレスがあるんです。
3.職場のコミュニケーション不備によるストレス
ソフトウェア開発の職場って、皆時間に追われていて忙しいので話しかけにくい雰囲気がありますよね。
自分が仕事上問題を抱えていて誰かに相談したいのに、皆忙しそうで相談しにくい、そんなこともよくあります。
できるだけ自分で解決しようとがんばっても、自分ひとりでは解決できないこともあります、そんな時に自分の無力さだったり、自分一人で問題を抱えこむ辛さを味わいます。
つまり、相談がしにくく、問題を自分一人で抱えこみやすい職場構造なんです。
とはいえ、自分が他のメンバーから相談された時には「忙しいから話しかけんなよ」とは思わないわけですから、自分が誰かに相談する時にも、もう少し気楽に話しかけていいと思います。
どんなストレスがあるか分かったら、どうやってそれを減らすかです。
ストレスを減らすには?
「プログラミングが難しい問題」は、より人間の思考に近い高水準なプログラミング言語やツールを使うことで多少は改善できます。
- アセンブラでプログラムを組むよりも、より高水準な言語であるJavaやC#、PHP、Rubyで組んだ方がかんたん
- Windowsのメモ帳でコードを書くよりEclipse、Visual StudioなどのIDEを使ったほうが楽
「納期が決まっていて時間に追われるストレス」は、
- スケジュールに余裕を持たせる交渉をする
- 作業効率を上げる工夫をする
ことで多少改善できます。
「職場のコミュニケーションが少ないことによるストレス」は、
- あまりに気を使いすぎているのをやめて、もう少し気楽に話しかける
と良いでしょう。自分が話しかけられて嫌でないのであれば、相手も同じはずですからね。
それでもその職場で仕事をするのが辛い場合は、無理せず転職した方がいいと思います。職場って相性なので、合わないものは合わないし、合う職場はめっちゃ合います。特に気を使わなくてもうまくいく職場ってありますからね。
相性の問題なので、誰が悪いわけでもありません。
私は10年くらい業務システム開発のSIerで仕事をしていたのですが、「鈴木は木村部長に気に入られてるから昇進した…」などの政治的な噂話が多く、人間関係もギスギスしていて、ストレスを感じていました。
そこで全く違うカルチャーの会社で働きたいと思い、スマホゲーム開発に転身しました。モノづくりの面白さがあり、プロジェクトのメンバーも仕事へ真摯ないい人ばかりでした。残業時間もそんなに多くなくて月20時間程度でした。良い職場って、ちゃんと存在するんです。
なので今いる職場が辛いという方は、転職活動を始めてみてください!