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プログラマーSEは若手社員時代に自己イメージを下げられるな!

2014年7月26日に投稿 → に更新 若手 アフィリエイトリンクを含みます

若手社員を威圧する上司

私は新入社員時代なかなか自分の能力が会社から認めてもらえず苦悩していました。

私が仕事を始めたのは20歳の時です。

高校卒業後、2年間専門学校に行って卒業して従業員数80人くらいの零細ソフトベンダーに入社しました。業務システムの受託開発を生業としている会社です。

そこで、上司から思いっきり自己イメージを下げられた後、こつこつ独学してきた成果が出て、一気に自信をV字回復させた体験があります。

この体験から得た教訓を紹介します。

現場では評価されたのに、上司からは不当な扱い

新入社員研修が3か月で終わって、最初の案件はいきなり自分一人、自社の社員が一人もいない職場に放り込まれました。

PL/SQLというOracleのストアドプロシージャを開発する仕事でした。PL/SQLなどまったく使ったこともなく、手探りながらも仕事をきちんとこなし、職場の人からは良い評価をもらえました。

にも関わらず、次の仕事はシステムの障害情報をPCに入力するオペレータの仕事でした。私はプログラマーの募集をしていたから入社したというのになぜオペレータの仕事をしなければならないのか?しかも、最初の案件でプログラマーの仕事をきちんとこなして評価を得ていたにもかかわらずです。それを上司に伝えた所、

「君は経験がないから、プログラマーの仕事はまだ無理だろ?

と言われました。

今思えば、「は?最初の案件でプログラマーやっただろ、お前記憶喪失か?」と言いたい所ですが、当時はそんな発想は浮かばず、「自分はまだまだなんだな、仕事をするには相当の実力と経験が必要なのだな」と思っていました。

部下を悪く言う上司は無能で有害

この上司に発言は最悪です。
1.内容が矛盾していて間違っている
2.部下の自己イメージを下げてしまう
からです。

1は先ほど書いた通り、私は最初の案件でプログラマーとしての実績と評価がありましたので、矛盾しています。2はとても重要なことです。「君は経験がないから、プログラマーの仕事はまだ無理だろ」と言われて、それを素直に受け取ったら、「ああ、僕は経験不足でプログラマーの仕事が出来ない人間なんだ」と思ってしまうからです。人は自己イメージ通りの能力しか発揮できません。

自分のことを優秀なプログラマーだと思ってる人は、自然と優秀なプログラマーを全うします。自然と技術書やWebサイトなどで勉強をするものです。本人も気づかぬうちに無意識が優秀なプログラマーを全うするのです。

では逆の場合はどうなるか?自分を「経験不足でプログラマーの仕事が出来ない人」だと本気で思ったら、プログラミングが出来るようになりません。無意識がプログラマーの仕事が出来ない人を全うするからです。

例えば本屋に行った時にソフトウェア技術の書籍コーナーを目にしても技術書を手に取ることはありません。そんなことをしたら、プログラマーの仕事が出来ない人じゃなくなってしまうからです。変な話ですね?ですが、現代の脳科学では無意識ってそういうものだということが分かってます。

もちろん、誰かに言われた一言によって完全に自己イメージが変わってしまうことはそんなにないかもしれないけれど、マイナスの働きかけであることは確かです。だからこの上司の発言は最悪なわけです。そのせいもあってかこの会社の従業員は自己イメージが低い(自分の仕事能力に自信がない)人が多かったように感じます。

自己イメージが自分の能力を決定する

私の場合、上司の発言を100%うのみにせず、自分は出来るはずだと信じて勉強を続けた結果3年目の仕事で自己イメージを大きく向上させることが出来ました。

それはJavaを使ったWeb開発の仕事でした。

2002年の当時はWeb開発案件は今に比べて大分少なく出来る人があまりいませんでした。私はオペレータの仕事をさせられている間もJavaの勉強をしていました。現在から見るとJavaは保守的で古くてダサい技術だと思うかもしれませんが当時は先進的でかっこいい技術でした。なので、流行る流行らないは関係なくJavaに惹かれて勉強していました。

そして実際仕事をしてみたら、なんと「私が一番出来る人間だった!」のです。もちろん、他にも出来る人はいたけれど上司曰く「経験が足りなくてプログラマーの仕事が出来ないはずの私」がそのプロジェクトの中では完全に上位にいたのです。

「えっ?うそだろ?おれは経験が足りなくてプログラマーの仕事が出来ない人間なんじゃないのか?」

驚きと同時に怒りをおぼえました。

先輩社員は意外とすごくない

入社した当時は先輩社員が皆すごく立派に見えましたが、それは間違いでした。

3年目の仕事で当時同じプロジェクトだった先輩社員は「オブジェクト指向ってよくわからない。必要なのか?」などと自分のスキルが足りないことの言い訳をしていました。

しかし、その人のレベルはオブジェクト指向云々の問題以前にプログラムを書く際の常識を欠いたものでした。一つ例を挙げるとその人が書いたユーティリティクラスは戻り値に数値リテラルをそのまま返すものでした。

以下のような書き方です。

class UserUtil {
 public static int judgeUserType(user) {
  if (user.isEmploee()) {
   return 1;
  } else if (user.isPartTimer()) {
   return 2;
  } else {
   return 3;
  }
 }
}

使う側のコードはこうなります。

if (UserUtil.judgeUserType(user) == 1) {
 //ユーザータイプが従業員の場合の処理
}

「returnで1,2,3返されても意味不明ジャン?!」
1,2,3が何を表すかがコード上に表現されていないからです。

これはマジックナンバーと言って、やってはいけないコードの書き方です。現在のJavaだとenumを使って定数を定義して書きます。

当時はenumがなかったので

class UserUtil {
 public static final int USER_TYPE_EMPLOYEE = 1;
 public static final int USER_TYPE_PARTTIMER = 2;
 public static final int USER_TYPE_OTHER = 3;
 public static int judgeUserType(user) {
  if (user.isEmploee()) {
   return USER_TYPE_EMPLOYEE;
  } else if (user.isPartTimer()) {
   return USER_TYPE_PARTTIMER;
  } else {
   return USER_TYPE_OTHER;
  }
 }
}

使う側のコードはこうなります。

if (UserUtil.judgeUserType(user) == UserUtil.USER_TYPE_EMPLOYEE) {
 //ユーザータイプが従業員の場合の処理
}

これならばif文を見ただけでコメントがなくても処理内容が理解できます。

これはプロのプログラマーなら常識ですが、この会社の経験豊富な先輩社員は分かっていなかったのです。

私が「マジックナンバーだと使う側が混乱しますよ?定数定義して返すべきですよ」と言ったら「えっ?ああ、そう、じゃあ直しといてよ」と言われました。たぶんどう直せばいいのかわからなかったのでしょう。

読者の方の中には「自分も知らなかった」という人もいるかもしれません。でも別に大丈夫です。

このマジックナンバーの話などは「プログラミング作法」や「リーダブルコード」といった書籍に書かれてるので1冊読めばOKです。この先輩社員がダメなのは、本を読むなどして自分を向上させようとする意志がなく言い訳ばかりしていることなんです。

自己イメージの上げ方はいろいろある

ただし、悪いことばかりではありません。ダメな人がいると相対的に自分が優れていると感じられ自己イメージが上がります。しかも私の場合初めに自己イメージを不当に下げられているので、その反動もあって、一気に自己イメージが跳ね上がりました!

「やっぱ、おれは出来るプログラマーだ!プログラマー王に俺はなる!!?」

「プログラマー王に俺はなる!」とまでは思いませんでしたが、自己イメージが上がったのは間違いありません。

「海賊王に俺はなる!」と言ってる漫画ワンピースの主人公ルフィもまた自己イメージの高い人です。

ワンピースは自己イメージの説明の良い題材です。主人公のルフィは「海賊王に俺はなる!」と言ってますが、見てる私たちからすれば「本当になれるの?海軍の大将の方が強そうじゃん!」と思ってしまいます。

兄貴分のエースが海軍に囚われたのを助けに行く戦い「頂上決戦」でルフィは私たち読者が思ってた通り海軍大将たちの前に敗れ去りました。「やっぱそうじゃん。勝てるわけないじゃん」と思いました。

その後、ルフィは敗北感とエースを救えなかった後悔から「何が海賊王だ。俺は、俺は弱い」と涙を流しました。そして強くなることを決意してレイリーの下で2年間修業をしました。その後、修行の旅を終え、両手を掲げこう言います!

「海賊王に俺はなる!」

今のルフィならなれそうだな。皆そう思ったのではないでしょうか?元々は海軍大将になんて勝てるわけがない。海賊王になんてなれるわけない、そう思って見てたのに。今のルフィなら海軍大将になれそうだな、海賊王になれそうだな、そう思っているわけです。

なぜ、ルフィは強くなれたか?「海賊王になることをゴールに設定して、自分を海賊王になる男だと自己イメージを設定したから」です。

なぜ、ITエンジニアの話で自己イメージの話をこんなにするかというと、「新入社員時代は社会人人格が誕生する時期」だからです。

新入社員時代は社会人人格の誕生期。三つ子の魂100までも?

ITエンジニアって2種類に分かれると思います。
1.自信を持って仕事をしてる人
2.おどおどしてて他人に依存してる人

2のおどおどしてて他人に依存してる人は、なぜそうなってしまったのでしょうか?

赤ちゃんが生まれた時などに、三つ子の魂100までもだから、この時期のしつけが大事だみたいな話を耳にします。この言葉は三歳までに身につけた価値観や習慣は100歳まで続くという意味です。だから、三歳までにしつけをしっかりしようという人たちがいるわけです。

私はしつけという言葉が嫌いです。しつけとは親が自分に都合のよい論理を子供に刷り込むニュアンスを感じるからです。「しつけ」という言葉犬や猫などに対しても使われます。ペットに対して行うしつけは基本的にペットの幸せを願ったものではなく、ペットが自分勝手な行動をとらないように、飼い主にとって都合のいい論理を刷り込むことでしょう。言うこと聞いたら、餌を与えるなどして服従させていきます。ペットは好き勝手に走り回ったり、大声で吠えたりしたいはずですが、そうされては飼い主にとって不都合なので、勝手な行動を取ったら罰を与えられます。そうやって、段々と飼い主に都合のいいペットになっていくわけです。

子供はペットではありませんが、しつけというものが、「しつける側に都合のいいルールを刷り込む」という意味では同じでしょう。

なぜ、このようなことを書いたかというと、私たちが生まれて親から受けた最初の教育=しつけは、親に都合のいい論理であるということです。

え?それがITエンジニアとどう関係があるんだって?

就職して数年間は社会人として赤ちゃんみたいなものです。つまり、その数年間の内に社会人としての人格が作られると私は考えています。

つまり、「社会人版三つ子の魂百までも」なわけです。

入社して3年間は右も左もわからない赤ちゃん状態です。その時に「君は優秀だから将来有望だ!」と言われれば、それが三つ子の魂百までもとなって、自信のある人格が作られるでしょう。逆に「おまえは、くそ使えないダメ社員くずだ!」と言われれば、おどおどした自信のない人格が作られてしまうということです。

もちろん、一言言われただけで人格形成に至るとは限りませんが、入社して3年間でどんなことを経験し、自己イメージをどのように形成するかが、その後の職業人人生に大きな影響を及ぼすことは間違いないでしょう。

2のような自信なさげな人の中には、私から見たら、頭もいいし、能力が高いように見える人もいました。一流大学出身で会話の内容も知性を感じました。しかし、その人は仕事に自信を持っていませんでした。

おそらく、入社して3年間の内に、仕事に対して苦手意識を植え付けられてしまったのだと思います。その人は頭は良いのですが、仕事が出来る人ではありませんでした。

「あなたなら、ちょっとだけ本気出して基礎知識を学べば楽勝で一番出来る人になると思いますよ」と言ったのですが、「いやぁ、おれはそんなやる気ないし、この仕事」と言われました。

おそらく、その人の自己イメージが「自分は仕事の出来ない人」となってしまっているのだと思います。そうなってしまうといくら頭が良くても、仕事の能力はあがっていかないのです、ちょっと勉強すれば余裕でトップになれるとしても自己イメージと矛盾している行動がとれないのでしょう。

ここから学べることは「頭がいいから仕事が出来るようになるのではなく、自分を優秀なエンジニアだと思ってるから仕事が出来るようになる」ということです。

ルフィがゴムゴムの実の能力者だから強くなれたのではなく、自分を海賊王になる男だと思ったから強くなれたのと同じです。

三つ子の魂百までもと書きましたが、自己イメージを変えることは可能です。ゴールを設定すれば、自己イメージは変わります。

ルフィの例で言うと「海賊王に俺はなる」というゴールを設定したから、自己イメージが「俺は海賊王になる男」に変わったわけです。

なので、たとえ、就職して3年間の内に周囲の人から悪い刷り込みをされたり、失敗して自信をなくす出来事があったとしても「ゴール」を設定すればいいわけです。

「すごいエンジニアに俺はなる!」と!

ですから、部下や後輩の自己イメージを下げるような職場は今すぐやめて、あなたの力が真に発揮できる職場を探したほうがいいと思います。

私はいくつもの会社で仕事をしてきましたが、会社によって、カルチャーが全く違うので、探せば、あなたに合った会社が必ず見つかると思います!