プログラマーSEが給料の高いIT企業を見分ける方法
「給料が全然上がらねぇ…」
「どういう会社に入ると生涯年収が高くなるのかなぁ?…」
「お金が全てじゃない」と言いますが、お金は大事です。お金で買えないものもあるけど、かなりのものがお金で買えます。
それに、同じ仕事をするなら高い給料をもらえた方がいいに決まってます。
営業職の場合、たくさん売った人にたくさん給料やボーナスが支給される歩合・インセンティブ制度がありますが、エンジニア職の場合、優れた仕事をしたからといって直接給料が高くなるわけではありません。
私はこれまでに三度転職しましたが、1社目と2社目では全く同じ仕事(Javaで業務システム開発)なのに、年収が100万円以上違いました。
年収という意味では、
「どんな仕事をするかより、どの会社に所属しているか?」
がとても大事なんです。
では、どんな会社に入ると給料が高くなり、毎年順調に年収が上がっていくのかについて考えていきましょう。
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IT企業は大きく分けると2種類
- 自社製品・サービスを開発運営することで稼いでいる会社 = プロダクトオーナー
- エンジニアの労働力を提供することで稼いでいる会社 = 人売り
この2つに二分されます。私は両タイプの企業で働いたことがあります。
1は自社で開発した製品を売ったり、サービスを運営することでお金を稼いでいる会社です。
製品の会社でいうと例えば、
- オラクル → DBソフトを開発・販売
- マイクロソフト → OSやオフィスソフトを開発・販売
等があります。
サービスを運営している会社というと、例えば、
- Google → 検索エンジンを運営して広告収入で稼いでいる
- ドワンゴ → ニコニコ動画の広告収入、有料課金(プレミアム会員、有料コンテンツ等)で稼いでいる
等です。
2はSIerやシステムベンダーと言われている会社です。システムの受託開発やエンジニア派遣をして、依頼されたシステムを開発する労働力を提供することでお金を稼ぎます。代表的な会社は
- NTTデータ
- ISID(電通国際情報サービス)
といった会社です。
どちらのタイプにも、年収が高い会社、低い会社があります。それぞれ詳しく考えてみましょう。
自社製品・サービス企業で給料が高い会社を見分ける方法
1. ビジネスモデルの将来性を見る
先ほど挙げたGoogleであれば、検索エンジンの広告収入が主な収入源です。ネット広告はまだまだ伸びると言われていますし、Google以外の検索エンジンで台頭しているものがほぼないので、今後も収入は伸びていくと考えられます。マイクロソフトのBingは涙目ですが(笑)
2. その会社で働いてる人の口コミで検証
ネットの口コミサイトを見て実際のところを検証します。
キャリコネという企業の口コミサイトでGoogleについての書き込みを見てみた所、
- 給料は高く満足している
- 残業も少なく、快適に質の高い仕事ができている
と好評でした。
ということで、
- その会社がどうやって稼いでいるか?そのビジネスは今後も伸びていくか?を考える
- 会社の口コミ情報を調べて裏を取る
このようにすれば、将来性のある良い会社が見つかるはずです!
SIer・システムベンダーで給料が高い会社を見分ける方法
商流を見る
SIer・システムベンダーは企業からシステム開発の依頼を受けて仕事をするわけですが、一社で受けきれない大きな仕事の場合、下請けシステムベンダーに仕事を外注します。
例えば、トヨタ自動車が車の生産管理システムの開発をNTTデータに発注するとします。NTTデータはその仕事をさらに富士ソフトに発注するとします。富士ソフトはその仕事をさらに別の零細システムベンダーAに発注するとします。NTTデータや富士ソフトは下請けに仕事を流す際にマージン(手数料)を取ることができます。つまり、
トヨタ自動車がNTTデータに3000万円で生産管理システムを発注
↓
NTTデータが2500万円で富士ソフトに生産管理システムを発注(差額500万円の利益を得る)
↓
富士ソフトが2300万円で零細システムベンダーに生産管理システムを発注(差額200万円の利益を得る)
↓
零細システムベンダーAは2300万円もらって生産管理システムを開発する
という流れです。トヨタ自動車から零細システムベンダーAに直接2300万円払って仕事を発注すれば安く済むのですが、世の中そうはなっていません。
いわゆるゼネコン構造、中抜き業者がいる構造なんです。
これが商流です。商流が高い会社の方がビジネス的においしいんです。
商流が高いとは、仕事を請けるのが先の会社を言います。この例でいうとNTTデータが一番商流の高い会社です。
NTTデータは下請けの富士ソフトに仕事を流すだけで差額の500万円利益を得ることができます。もちろん、実際は仕事を丸投げできるわけではなく、きちんとシステムが開発されるように進捗を確認したり、うまくいかなかった場合、発注者のトヨタ自動車に対して責任を負う義務がありますけどね。
ということで、この例でどの会社の給料が高いかというと、もちろんNTTデータです。
- NTTデータの平均年収は793万7000円
- 富士ソフトの平均年収は590万円
システムベンダーの場合、「商流の高さ = 給料の高さ」なんです。
ですから、その会社の商流の高さ(何次請けの仕事が多いか)を調べれば、おのずと給料の高さが分かります。
商流の高さを見極める方法
その会社のホームページの取引先企業名を見ます。
- システムベンダーが書かれている場合、商流が低い会社です。
- ユーザー企業が書かれている場合は、商流が高い会社です。
あとは、面接で、
「御社のプライム案件比率はどれくらいなのでしょうか?」
等と聞いてみるのもいいと思います。プライム案件とは自社が元請けの案件のことです。ですからプライム案件比率とは仕事の内、何パーセントが元請けの仕事かという意味です。
商流の高さを見極めたら、自社サービス企業の項で述べたようにキャリコネなどの口コミサイトで実際の評判を確かめれば、ばっちりです!
そんなわけで、ITエンジニアが高い給料をもらう秘訣は「どの会社に所属するか」です。給料に不満があるのであればぜひ転職活動を始めてみてください!