ITエンジニアの『平均年収』と年収目標の『目安』を考えてみた
平均年収っていろいろな指標が出ていますが、対象にする範囲によって金額が異なります。
以前、海外のサイトで「言語別平均年収が一番高いのは何か?」というのを調べたものがありました。1位はPythonだったのですが、その金額が日本円換算で300万円台だったんです。
このサイトはけっこうはてなブックマークでも話題になったのですが、「一番高い言語でそんな安いの?夢がねーな」と興ざめでした。
統計を取ると、下のほうに引っ張られがちなのかなと思います。ですから、平均で見るのではなく、経験的感覚で見たほうが年収目標の目安になると思うんです。
そんなわけで今回は、私がこれまでに仕事で稼いできたガチの金額や知人から聞いた話を元に年収目標の目安を考えてみます。
新卒で入った会社の給料はくそ低かった!?
私は2000年からITエンジニアの仕事をしています。ちょうど就職氷河期に社会に出たロストジェネレーション(失われた世代)と言われてる世代です。
ロストジェネレーションってなんかかっこいい名前ですけど、「好景気が失われた世代」って意味ですから全然うれしくありません(笑)
私は新卒で入った会社を4年半勤めて辞めました。3年目の年収は320万円でした。一年目の年収は覚えてませんけど、おそらく200万円代だったのだと思います。
目安1. 就職して5年以内に年収400万円は越せる!
転職先を決めずに辞めたので、ハローワークに行きました。ハローワークから紹介された会社で面接を受けたらその場で合格となって「年収400万円で雇うよ」と言われました。
「おお、めっちゃ上がるじゃん!」と思ったのですが、「320万円から、どうせなら100万円アップしたいな」と思い、
「420万円じゃダメですか?ちょうど100万円アップになるので嬉しいんですけど」
と言ってみたら、「だめ、400万」と言われました。
さて、これ聞いてどう思いましたか?
つまりは、3, 4年目で400万円はかんたんに行けるということです。
まずはこれが一つ目の目安になるんじゃないでしょうか?
就職して5年以内に400万円を超えていなければ、相場より安いと考えていいと思います。
この後、ハローワークは使わず、転職エージェント経由で転職活動してみました。
ハローワークの職員はIT企業に詳しいわけでもないので、転職エージェントからの方が断然いいアドバイスがもらえました。
ギリギリ受かるかすれすれくらいの求人を紹介してもらって20社位応募して最終的に2社内定をもらえました。ギリギリを狙っていったほうが会社のランクを上げられていいと思います。
内定をもらえた会社は
- 社員数: 数百名規模の中堅SIer。年収提示額: 420万円
- 社員数: 数千名規模の東証一部上場SIer。年収提示額: 440万円
でした。会社の規模、年収提示額ともに上回っている後者を選びました。
まぁ、会社の規模ってそこまで重要でもないですけどね。東証一部上場企業といっても独立系SIerで2ちゃんねるの就職偏差値Fランクの企業なので案外かんたんに受かりました。
ちなみに私は専門学校卒なので学歴も高くありません。大手企業って学歴関係なく案外受かるもんみたいですね。
ともかく、この転職によって年収が120万円も上がって400万円代になったのです。
目安2. 20代のうちに年収500万円は越せる!
転職後、年収は年々上がっていきました。最初の会社は1年に10万円くらいしか上がっていかなかったのに、次の会社では毎年何十万円も上がっていきました。
- 最初の年が420万円(年の途中で入ったのでボーナス査定期間の短さによって採用年収の440万にはいかなかった)
- 2年目(27歳)で459万円
- 3年目(28歳)で520万円
- 4年目(29歳)で550万円
と順調に推移しました。
なので、目安としては20代中盤で400万円を超えて、後半で500万円を越すくらいをイメージすればいいのかなと思います。
2ちゃんねるのIT企業偏差値ランキングでFランクの会社でも20代後半で500万円代まで行けたわけです。
なので、目安としてちょうどいいと思います。
給料の相場観をやしなうためにすべきこと
新卒で最初に入った会社にいた頃、会社の先輩に
「うちの会社、給料安すぎませんか?」
と聞いたら、
「どこの会社もそんなもんだよ」
と言われました。今なら「年収300万がふつうなわけねーだろ!?」ってつっこみますけど、当時は会社の中のことしか知らなかったので、先輩の言ってることが絶対になっていて「そんなもんなのかなぁ…」と納得していました。視野が狭いって怖いことです。
視野を広げるという意味では、今やっておられるようにブログを読むのもいいですし、転職エージェントから話を聞いてみるのもいいと思います。
そんなわけで、ここで紹介した目安の金額を大きく下回っているようであれば、転職活動を始める良いタイミングなんじゃないかなと思います。