なぜ社内SEは痛い奴が多いのか?
私は長年、業務システム開発の仕事をしてきました。客先のオフィスに常駐して仕事をしていたのでその会社の社内SEの人とやり取りする機会がたくさんあったのですが、なぜか、社内SEの人たちは、
1. やたら偉そう
2. やたら頼りない
3. やたらバカ(ITも業務もわかってない)
な人たちが多かったように思います。いわゆるイタい奴ですね。
いくつもの企業で同じ傾向が見られたので、おそらくこれは社内SEという職業の問題だと考えられます。そこで今回は「なぜ社内SEは痛い奴が多いのか?」考えてみたいと思います。
Contents
1. やたら偉そうな理由
自分が客だという意識が強すぎる
私は当時SIer(受注したシステムを開発する会社)に勤めていました。SIerは企業からシステム開発の発注をされてシステムを作ります。
例えば、トヨタ自動車が社員の給料を計算するシステムをSIerのNTTデータに発注する場合を考えてみましょう。
トヨタがNTTデータに「給料計算システムを2000万円で作って下さい」と発注して、NTTデータは「かしこまりました」と受注するような取引です。
社内SEとはこの場合、トヨタ自動車の情報システム部の社員のことです。以前の私の立場はSIer側なので、この例だとNTTデータのエンジニアということになります。
社内SEはお金を払う側の会社(例だとトヨタ)にいるので、「自分はお客だ、お客様は神様だ(おれは神だ)!」と考えている人が多いように思います。客なんだから偉そうにしていいと思っているのです。
態度が横柄だったり、言葉遣いが悪い人が多くみられます。SIerのSEの方がはるかに年上なのに社内SEがため口をきいている光景もよく目にしました。客だから偉いとかいう前に人としてどうかしてますよね。
この他にも、社内SEから、
「お客様は大事にしないとね!」
と言われて笑いをこらえるのが大変だったことがあります。当時、リッツカールトンやディズニーなどの「おもてなし仕事術」みたいな本が流行っていて、ビジネス系の雑誌やWebサイトで「お客様を大切におもてなししましょう」みたいなことがよく書かれていました。それらを読んだのかはわかりませんが、自分が客の立場で「お客様は大事にしないとね」と言うのは、
「(客である)僕ちゃんのこと、もっとお客様として大事に扱ってよね、プン!プン!」
と言ってるようなもので、よくそんな恥ずかしいこと言えるなぁと驚愕しました。
「自分は客だから何を言ってもいい」というのも度が過ぎると、ここまで痛いことになってしまいます。社内SEをやってる方はこういう恥ずかしいセリフを言わないように気を付けてくださいね。
2. やたら頼りない理由
「おれたちは客だから偉いんだ、何を言ってもいいんだ!」とばかりに偉そうな人がいるかと思ったら、逆にやたら頼りなくておどおどしてる人もいます。いったいどういうことなんでしょう?
理由はおそらく、仕事に自信がないからだと思われます。
- ITについてはSIerのSEに敵わない
- 業務のことは業務部門の人には敵わない
という板挟みで自信を失ったのでしょう。
それに、社内SEの多くは情報システム部に所属しています。情報システム部は企業の間接部門(利益を生み出さない部門)なので、他の部門との力関係が弱いというのもあると思います。
そのような状況下で仕事を続けるうちに、自信を失ってしまったのでしょう。まぁ、やたら偉そうな人よりはマシですかね。
3. やたらバカ(ITも業務もわかってない)な理由
ITも業務知識も中途半端
先ほども述べたとおり、社内SEはITスキルはSIerに敵わないし、業務のことは業務部門の人には敵わないという中途半端なポジションなので専門性がありません。
これはある意味仕方がないことです。SIerよりITに詳しくなる必要はないし、業務部門の人より業務に詳しくなる必要もありません。専門的なスキルがなくても、ごまかせる仕事だとも言えます。
システムの開発はSIerに任せればいいし、システムの仕様や運用は業務部門の人に任せればいいので、間を伝言するだけの仕事にもなりやすいのです。
業務部門から言われたクレームをSIerにそのまま伝えて、SIerから聞かれた業務の質問を業務部門にそのまま伝える、これだとなんのスキルも身につかないのでやたらバカ(ITも業務もわかってない)になってしまいます。
やる気がない
例えば、先ほど例に挙げたトヨタ自動車に入社する人というのはどういう動機で入社をするでしょうか?
「車が大好きなので車に関わる仕事をしたい!」というものが大半でしょう。
車に関わる仕事をしたいと思って入社したのに情報システム部に配属されてコンピュータシステムの開発・運用の仕事をすることになったらどうでしょうか?やる気が出ると思いますか?…残念ながら出ないでしょう。
本当は車の商品企画がやりたくて入社したのに情報システム部に配属されて仕方なくコンピュータの仕事をしている、そのような状況では、やる気も出ず仕事に対する学習意欲が低いため、尚更やたらバカ(ITも業務もわかってない)になってしまうんです。
会社のトップ人材は直接部門に配属される
またまた、先ほどのトヨタを例にすると、トヨタ自動車で新卒採用した人員の配属先を決めるときに、一番優秀な人たちをどこに配属するでしょうか?
その会社の競争力の源泉となる部門でしょう。商品企画や研究開発、営業、マーケティングなどに優秀な人材を配置すると考えられます。
ですから、そのような部門ではなく情報システム部に配属された人というのはその会社でトップクラスの人材ではない可能性が高いと考えられます。
ディスりまくったけど、優秀な人もいたからね!
まとめると、
- やる気も能力もない人が情報システム部に配属される
- やる気も能力もない人だからやたらバカ(ITも業務もわかってない)な人が多い
- だけど、自分たちは客なんだから何を言ってもいいと勘違いしてるから、やたら偉そうにする
- でも、社内では直接部門の人たちに逆らえず肩身が狭い。中にはそれで自信を失ってやたらおどおどしてる人もいる
となりました。
記事のテーマに沿った内容を書いていったら、ちょっとディスり過ぎな内容になってしまいましたが、社内SEの中にも、もちろん謙虚で優秀な方もたくさんいらっしゃいました。
ただ、やっぱり外側から客観的な目で見ると、仕事の知識が不足し過ぎな人や態度が偉そうすぎる人が多かったように思います。
この記事を社内SEの人が読んだら気を悪くするかもしれませんが、外部から見て、そう思われているのは事実です。客観的な視点は大切です。自分では気づかないことを教えてくれます。
なので、ここに書いたような痛い人にならないよう役立てていただけたらと思います。
SIerに勤めていて「もうこれ以上、痛い顧客の相手したくないわ」という方は転職した方が良いと思います。
私の場合、10年ほどSIerで仕事した後、自社サービス開発の仕事に転職したら、仕事内容にも職場の仲間にも恵まれて楽しく仕事できるようになりました。
職場ってやっぱり相性なんだなと実感しています。今の職場しんどいなぁという方はぜひ自分に合った職場を探してみて下さい!