中卒でITエンジニアになるのは可能?
読者の方から「高卒でITエンジニアになれますか?」という相談をちょくちょく受けます。
ということは、
- 中卒でITエンジニアってなれるのかな?
- できるなら、やってみたい!
って方もいるんじゃないかなと思いまして、今回は「中卒でITエンジニアになれる可能性」について書いてみます。
Contents
2つのハードル
中卒の人がITエンジニアになるには、2つの壁があります。
- 中卒の学歴で採用してもらえるか?
- 中卒の知識でプログラミングをマスターできるか?
1については、「学歴不問」と書かれているITエンジニア求人に応募すればOKです。ちょっと探しただけでも、たくさん見つかります。
問題は2です。
中卒の人は、「大卒や高卒の人に比べて教育を受けた期間が短く、学んだ知識が少ない」というハンディキャップがあります。
中学までの知識でプログラミングを習得できる?
よく言われがちなことで、
「プログラミングには、数学の知識が必要」
というのがありますが、ほとんどのプログラマーには不要です。
私自身、専門学校卒なので決して高学歴ではありません。
しかも高校二年生の時に文系コースを選んだので、数学の授業は少な目でした。
Googleのようなトップ企業の研究職であれば、高度な数学知識を使ったプログラミングが必要になるかもしれません。人工知能や機械学習などの分野でも高度な数学を使うことでしょう。
しかし、私たちのようなふつうのプログラマーが開発するWebアプリケーションやスマホアプリの開発で、高度な数学を使うことは、ほぼありません。
せいぜいかんたんな四則演算(足し算、引き算、かけ算、割り算)を使う程度です。
プログラミングは数学よりも『文章』に近い
if user.login == true show_contents else show_login_screen end
これはRubyというプログラミング言語のプログラムです。
- ユーザーがログインしていたら、コンテンツを表示する
- ログインしていなかったら、ログイン画面を表示する
という意味のコードです。文法を知らなくてもなんとなくわかりますよね?英語の簡易版みたいなものですからね。
つまり、プログラミングとは書き方のルールが決まっている文章を書くことなんです。
「文章を書くのが苦手だ」という方もいるかもしれませんが、書き方のルールが決まっているので、文才はいりません。ルール通り淡々と書けばいいだけです。
日本語を覚えた過程を思い出してみてください。生まれたばかりの私たち(赤ちゃん)は全く言葉がわかりませんでしたが、お父さんお母さんが話しているのを聞いてマネしているうちに自然と身につきましたよね。
プログラミングも同じで、はじめはお手本をマネして書き写していきます。それをやってるうちに自然と知識が増えていって、だんだんと自分がイメージしたものを作れるようになります。
ですから、大学などで教育を受けている必要はないんです。私も大学を出ていませんが、ちゃんとプログラミングできています。
逆に「学歴は高いのにプログラミングできない」って人がけっこういます。というのも、
プログラミングって地味な作業なんです
プログラマーって、
- 最先端でかっこいい!
- 華麗なる仕事!
というイメージがありますが、仕事の大部分はとても地味な作業です。
コンピュータに向かって、「これをこうして、あれをして、こうしてください」という命令を一つ一つコツコツ書いていきます。
コンピュータは命令したとおりに動くので、コンピュータを自由自在に操れる全能感を味わえます。
「おれスゲー!!おれコンピュータの神!!」
って気分にもなれますが、逆に言えば、命令したとおりにしか動きません。
これ重要なポイントなんです。
プログラミングの難しさと面白さ
例えば、友人や家族に、
「コンビニでさっぱり系の弁当買ってきてよ」
とあいまいな頼み方をしても、あなたの好みを察してさっぱりした美味しいお弁当を買ってきてくれますよね。
ところが、コンピュータが相手の場合そうはいきません。コンピュータはあなたの好みを察することができません。
先程の例で言えば、
- 「コンビニで」ではなく、「セブンイレブン渋谷駅前店」
- 「さっぱり系」ではなく、「そば、うどん、寿司のどれか、値段は700円以下のもの」
と具体的に指定しないといけません。
人間であれば、言わなくてもわかることを、すべて明確に指定しなければならないんです。
- あれをああしてこうして、もし~だったら、こうする
- それ以外の場合はこうする
この中で一つでもロジックが間違っていたら、思った通りに動いてくれません。
その場合、どこが間違っているかを一つ一つ確認して、「ここかな?それともこっちが原因かな?」と根気よく検証していきます。
地味な作業ですよね?派手で見栄えのする仕事ではないんです。
ですが、うまくプログラムを書けた時には、
- パズルを解くようなおもしろさ
- ゲームをクリアするような達成感
があるんです。バグの原因が分かって、思ったとおりにプログラムが動いたときの喜びは格別です。
なので、学歴が高いかよりも「プログラミングが好きかどうか?」、これが重要なんです。
面接で学歴を問われることはめったにない
私はこれまでに転職を3回しているので、かなりの回数面接を受けていますが、学歴について聞かれたのは一度だけです。
面接の回数を正確に数えてはいませんが、少なめに考えても50回以上は受けています。
50回中1回しか聞かれていないのですから、IT企業のほとんどは学歴を意識していないと考えられます。
とはいえ、聞かれた場合の準備をしておけばより安心です。
私が聞かれた質問は「なんで大学に行かなかったんですか?」なので、中卒の方は高校へ行かなかった理由を聞かれるかもしれません。
「なんで高校に行かなかったんですか?」への回答案
たとえば、
「寿司職人になりたいと思い、高校で勉強しても寿司職人としてプラスにはならないと思って行きませんでした。」
のようなポジティブな内容ならばいいのですが、
「勉強が嫌いなのでいきませんでした。」
だとよくありません。
勉強が嫌いな人を企業は採用したいと思わないはずだからです。
実際に勉強が嫌いであっても、そのまま言わなければいいんです。
- 早く働きたかった
- 受験勉強が無意味に思えた
- 家の経済状況が良くなくて、高校に行けなかった
などマイナスな印象にならない理由であればOKです。
高校入学後、中退した場合にも、
「先生と喧嘩して辞めました」よりも、
「高校の勉強は、実生活や仕事の役に立つとは思えなかったのでやめました。高校をやめてから自分がやりたいことを真剣に考えてプログラマーになりたいと思いました。」
このような表現ができれば、ばっちりです。まぁ、聞かれること自体めったにないでしょうけどね。
無料でプログラミング教育 & 就職支援を受けられる学校がある
プログラマカレッジというプログラミングスクールは20代なら、
- 無料で受講可能
- 修了後、就職先を紹介してくれる
という、すばらしい取り組みをしています。企業の協賛金で運営されいているから無料で受講できるんだそうです。
- 受講者は無料で授業と就職先の紹介を受けられる
- 企業は教育を受けた人員を採用できる
- スクールは企業からの報奨金で利益を得られる
と三者がそれぞれ得するすばらしいシステムなんです。こういうスクールがもっと増えるといいですよね。
プログラミングは独学でも学べますが、講師から教わったほうが楽に速く学べるのでぜひ選択肢の一つとして考えてみてください。
知識ゼロで入社して社内研修で学ぶのもあり
あなたの年齢が30代中盤以下であれば、プログラミング知識ゼロの人を採用する会社がたくさんあります。プログラミングスキルは入社後、会社の研修で学べます。
私が以前所属していた会社でも29歳・知識ゼロで入社した人がいました。仕事をしながらプログラミングを覚えて、ちゃんと仕事ができるようになっていました。
ワークポートはプログラマー未経験の人向けの求人を紹介してくれます。自分で求人を探すよりも効率よく就職活動ができると思います。
そんなわけで、二通りのアプローチからしっくりくる方を選ばれれば良いと思います。
ぜひトライしてみてください!