プログラマーは業務系SEにならない方がいい理由
「SEという職業は日本にしかない」と言われています。
私は以前、業務システムを受託開発するSIerで仕事をしていましたが、その後、
- Webサービス開発
- スマホゲーム開発
の仕事に移りました。これらの職場にSEという職種はありませんでした。
また、Webサービスやゲーム開発の職場の方が業務システム開発よりもプログラマーの地位が高いと感じられました。
ですから、業務システム開発でプログラマーをやってる人はSEという職種がない業界(ゲームやWeb)に移った方がいいと思うんです。
その詳しい理由を紹介します。
Contents
そもそもSEってなんなの?
- プログラマーはプログラムを作る人だからプログラマー
- デザイナーはデザインを作る人だからデザイナー
名が体をなしています。
SEとは定義上「システムを設計する仕事」です。であればSE(システムエンジニア)ではなく、SD(システムデザイナー)と呼んだ方が正確です。
…が、しかし、そうなっていません。
あいまいにしておいた方が都合がいいからです。
システムデザイナーにしてしまうとシステムの設計をできない人が仕事を得られませんからね。
「はぁ?なんだよそれ…」っと思われたかもしれませんが、現にシステムの設計をできない人がSEを名乗っているケースは多々あります。
SIerはプロジェクトに人を送り込めば金になる商売
SIerはシステムを発注した企業に人を派遣して一人派遣するごとにお金を取っています(SIerはシステムベンダー、ソフトハウスなどいろいろな呼ばれ方がありますがこの記事ではSIerと表記します)。
顧客企業にはプログラマーよりもSEの方が高い報酬を要求することができます。
例えば、
- プログラマーを一人一か月派遣すると70万円
- SEを一人一か月派遣すると90万
くらい報酬を顧客企業に請求できます。
なので、SIerはできるだけプログラマーではなくSEを派遣したいんです。お金がいっぱい貰えるので。
それにプログラミングできる人は限られています。プログラミングができないのにプログラマーを名乗ることはできませんが、SEを名乗ることはできます。そういう意味でも好都合なんです。「プログラミングとか技術的なことは全然追えてないんだけどね…」みたいなことを言うSEはよくいますよね。
しかも、SD(システムデザイナー)ではなく、SE(システムエンジニア)というあいまいな名称にしておけば、プログラミングだけでなくシステム設計さえできなくてもSEを名乗れるので、なおさら好都合なんです。
SIerは顧客企業をだます場合がある
私がSIerに所属していた時の話です。
私は客先企業に常駐して仕事をしていました。プロジェクトが開発のフェーズになり、人員を追加することになったので、上司と営業が追加要員を連れて面接に来ました。
私は、その人のスキルをチェックするためにかんたんなプログラムをその場で書いてもらいました。
すると、その人はまったくトンチンカンなコードを書き始めたんです。意味ないif分を書き出したり、ネストがおかしかったりと。よって、その要員は不合格となりました。面接の後、上司は
「コード書くテストなんてやったら、プロジェクトに入れられなくなるじゃないか?あんな難しいテスト解けるやつ、うちにはいないよ!!」
と言いました。
書いてもらったプログラムは本当にかんたんなものです。FizzBuzzよりかんたんなものです。
その程度のプログラムも書けない人間をSEとして投入しようとしていたのです。これは詐欺と言ってもいいのではないでしょうか?
プログラマーよりSEの方が上?
SIerはプログラマーよりもSEを優遇します。
先程述べた通り、SEの方が顧客企業からもらえる単価が高いからです。
SEはプログラムを書けなかったりシステムの設計ができなくても、現場の面接をパスすればアサインできます。受け入れる側の担当者が私のように追加要員のスキルをチェックしなければ、アサインして顧客に報酬を要求できてしまいます。
しかもSEの方がプログラマーより高い報酬を請求できる、だから、「プログラマーよりSEの方が偉い」という世界なんです。
プログラマーを続けていくなら業務系SIerは今すぐ辞めるべし
SIerでプログラマーを続けるのはとても難しいんです。会社としてはあなたにSEやプロジェクトマネージャーになってもらった方が儲かるからです。
ですが、ゲームやWeb開発の世界にはSEという職業はありません。
プランナーがゲームやWebサイトのプランを考えて、デザイナーとプログラマーがそれを実現します。
SEなんていうあいまいな職種は要りません。これがソフトウェア開発のあるべき姿です。
あなたがプログラマーを続けていくなら、どの世界で生きるべきかは明白です。
転職活動すると、いろいろな会社を知ることができて、自分がやりたい仕事・あるべき姿が見えてくると思います。