*

図説 インド神秘事典 伊藤武

に投稿

アドレナリン様物質に相当するものが「ピッタ」、アセチルコリンが「ヴァータ」、ヒスタミンが「カパ」と考えればいいのですか?

異種医学戦。

異種格闘技戦と同じように、モハメド・アリと大鵬が戦ってアリが勝ったとしても、それはボクシングルールならば勝てたり、ボクサーに有利なルールで戦ったから勝ったということになり、どちらが強いというものではない。それぞれの競技に特化した技術や能力を磨いていて、それはそのルール体系の中で生きるもの。

同じように、医学もアーユルヴェーダの理論はアーユルヴェーダの中で生きるもの。中医学の気や陰陽五行も同じで、西洋医学の何かに当てはめて考えても、それは別の競技の中で別の技術を使うようなものだ。つまり、近代医学は魂、心、感情、意識の問題を排して、誰の目にも明らかなもの、具体的な物質のみを相手にする「デカルト・ルール」に立脚する。
中医学やアーユルヴェーダは、気のネットワークなどの目に見えないものをシステムとしている、いわば「タオ・ルール、ダルマ・ルール」である。
アーユルヴェーダは技術医学を脱した合理学ではあるが、現代の合理とは違う。合理と非合理が止揚(交差)するところにある、別の合理。超合理と言ってもいい。

からだを自動車に例えると

ピッタがバッテリー、エネルギーを蓄えておく。

ヴァータがファン、エネルギーを全身に回す。

カパがラジエーター、エネルギーがむやみにさかり過ぎると体が焼き切れてしまうから、ラジエーターも必要になってくる。

と例えることもできる。

三つのバランスが取れていなければならない。しかし、誤った食習慣などによってバランスが崩れ、どれかが優勢になると不消化物(アーマ)が生じ、結果、病となる。だから損なう(ドーシャ)なのだ。

しっくりこないのをしっくりさせる考え方:連想

どうやらヴァータとは神経作用のことのようだ。ホルモンで言えばアセチルコリンかな。

ピッタとは消化機能のこと。いや、アドレナリン様物質のようにも思う。

カパとは骨や肉のようだ。ヒスタミンとも考えられる。

――と、分かったつもりになるのだが、しっくりこない。

そこで上手い方法がある。アーユルヴェーダは占星術や錬金術などとともに古代科学に属する。古代科学の特徴の一つは、絵やイメージやシンボル、連想を用いること。

例えば:
• ヴァータの光景:風が吹きわたる乾いた草原、青い衣をまとった痩せた遊牧民が家畜を追いながら暮らしている
• ピッタの光景:炎天下の野外アリーナ、灼熱する太陽に加えて人々の熱気で燃え上がりそう、体格のいい男が2人真っ赤になって戦っている
• カパの光景:寒い冬、雪がしんしんと降り積もっている、家の中ではご馳走を食べて丸々と肥えた家畜がまどろんでいる
ヴァータの光景に身を置けば、野菜が不足しがちだから便秘しそうだし、乾いた風に晒されていたら神経痛になりそうだな。カパの世界にピッタの世界をぶつければ、雪はどんどん溶かされて太っていた人もカッカしてきて痩せそうだな、などと連想を働かせる。慣れればこの方法は非常にうまく機能してくれる。

「あの人はピッタ過剰だな、今に肝臓を壊すぞ」
「最近どうも体がボテボテしてカパが増大しているみたいだから、カパを減らしてヴァータとピッタを増やす生活に切り替えなくちゃ」

と見当がつくようになってくる。

どうしても具体的なもの、物質的なものを介在させないとピンと来ないようであれば、ヴァータは腸内ガス、ピッタは胃液や胆汁などの消化液、カパは食道や気管に詰まる痰としておこう。

だとすれば、ヴァータ過剰症:浣腸、ピッタ過剰症:下剤、カパ過剰症:吐剤が有効ということになる。

タイのムエタイ選手は、ものすごくたくさんの数の試合をこなす。

なぜそのようなことができるかというと、試合が終わった後に「下剤ナムロンポン」を飲んでいるから。試合中、副腎からは闘争のホルモン、アドレナリンが分泌されて戦うことができる。しかし、試合が終わってからも、アドレナリンの燃え残りがくすぶっていて、神経がささくれ、イライラした興奮に心もチクチクと噛みつかれるのがつらい。そんなことが1週間ほど続く。プロボクサーでも試合後1週間ほどは練習もせずにおとなしくしている。アルコールも厳禁だ。ところがタイの選手は、試合の次の日から練習を再開する。試合後、下剤を飲んでトイレに飛び込み、初めは便だが後は完全に水。便意は数回波状的に来る。

肛門からジャーっと水筒の蛇口を出しっぱなしにしたみたいに水がほとばしり、すべて出し切ってしまうと体が羽のように軽くなる。

試合のダメージが嘘のように引き、腹に芯が通ったような安定感が戻る。下剤を飲んでアドレナリンの燃え残りを全部洗い流してしまうため、ダメージが残らない。腫れもすぐに引いてしまう。布を染め直すにはまず洗わねばならぬという格言がある。油や泥など、布に染みついた汚れを落とさなくてはきれいに染まってくれない。

体の浄化も同じ。体を浄化してから、調整薬や強制薬などの効力ある薬剤を用いる。

 - 健康

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です


二 × 2 =

  関連記事

no image
やりたくないことも確実にやり抜ける2つの方法

小さなゴールを設定すると、ゴールを予感できるのでやる気が出る 失敗、最悪な状況を …

no image
HEAD STRONG シリコンバレー式頭がよくなる全技術【要点メモ】デイヴ・アスプリー著

Contentsミトコンドリアの機能を高める ez 水と赤外線ミエリン着陸後に公 …

no image
疾患・症状別ホメオパシー辞典 実用222疾患の処方ガイド 要点メモ【渡辺順三 著】

Contents概論頭痛目、視力めまい鼠径ヘルニア泌尿器整形外科の疾患尾骨打撲、 …

no image
超没入 カルニューポート 要点メモ

Contentsメールは生産性を低下させる工程 プロセスプロトコルメールアドレス …

no image
脳と身体を歩きで鍛える 高岡英夫 著 【要点メモ】

Contents姿勢軸リード 軸垂腕垂脚作動軸化肩支(けんし)開発に取り組むボク …

革靴とスニーカーでは歩き方を変えるべし! ~革靴で正しく歩く方法

「革靴は歩きにくいし疲れるから嫌だ…」 「スニーカーみたいな履き心地の革靴があれ …

no image
『血流がすべて解決する』堀江昭佳(漢方薬剤師)

Contents漢方には「ハク」という概念があり、心と体を結びつけるものだとされ …

no image
暴力と不平等の人類史【要点メモ】ウォルターシャイデル

Contents不平等を平等化するのには4つの要因がある戦争革命崩壊疫病平和的な …

no image
揚げ足を取るひろゆきの頭の中

12356と説明された場合、4がないと気がつく ピースが埋まっていないところを指 …

no image
自分一人でやれ、人と違うことをやれ【青木真也・父の教え】

自分一人でやれば成果が全て自分のものになる 人と違うことをやらないと埋もれてしま …