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プログラマーSEは『資格を取るべきか?』を実際的に考えてみた

2015年1月29日に投稿 → に更新 勉強法 アフィリエイトリンクを含みます

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「プログラマーなら基本情報くらいは取っておいた方が良いかな?」
「資格なんて実際の仕事には役に立たないって言う人いるよなぁ」

資格については、人によっていろいろな意見がありますよね。

私の意見は以下の通りです。

  • 資格は知識習得という意味で役に立つ
  • 資格取得で学んだ知識は直接仕事に役立っていないようで間接的には役立っている
  • 就職/転職時にアピールになる時もある

私はプログラマーSEとして10数年仕事をしていて、資格もけっこう持ってます。正確に数えてはいませんが、ベンダー資格も入れると30個くらい持ってます。

そんな経験を踏まえて、ITエンジニアにとっての資格の実際を紹介します。

「資格は仕事の役に立たない」は負け惜しみ

「資格取ったって実際の仕事には役に立たないよ」というセリフを一度や二度は聞いたことがありますよね?

このセリフを言うのは決まって「資格を持っていない人」です。

資格を持っていない不勉強な自分を正当化したいだけなんです。

資格を持っている人は資格に対してこう感じます。

「資格は直接仕事の役に立つことは少ないけれど、知識を体系的に整理できるし、間接的には仕事の役に立っている。」

資格を持っていなくてもソフトウェア技術の勉強を熱心にしている人は同様の感想を持つはずです。知識を活用する術を知っているからです。

基礎的知識が増えることで説得力や確信が増す

資格を取得することで得た知識は、間接的には仕事の役に立つと述べましたが、具体例を紹介します。

例えば、受託開発の仕事で顧客に対して設計を説明する際に、なぜ、このような設計にしたかということの根拠としてソフトウェアの基礎的な仕組みを分かりやすく説明できれば、顧客に対して、説得力が増します。

また、ソフトウェアに不具合が発生した際にも、技術の基礎的な仕組みを知らないと解決できない場合があります。

その解決策を考える際にも基礎的な仕組みが分かっていることで、自分の考えに確信を持てます。

つまり、基礎的な仕組みを知ることで、ソフトウェアをブラックボックス化せずに、ローレベルの動作の隅々まで臨場感をもって認識できるようになるのです。

資格手当や報奨金をもらえる会社もある

私が新卒で入った会社は情報処理技術者試験の合格者に資格手当がつきました。基本情報技術者が5000円で応用情報技術者が1万円でした。5000円でも毎月なので年間6万円になります。けっこううれしい額ですよね。

転職して次に入った会社では資格取得時に報奨金が支給されました。例えば、Oracleマスターシルバーに受かったら5万円もらえるという仕組みです。

この会社ではベンダー系資格をたくさん取りました。取れる資格をひたすら取ってみたところ、何度も同じような知識を問う問題が複数の資格試験で出題されました。

何度も同じ知識をくりかえし勉強していると理解力が増したり強く暗記されて知識が定着します。資格をたくさん取ることにはこんなメリットもあるんです。

私の場合、お金が強いモチベーションになりました。もし、資格手当や報奨金制度がない会社に勤めていたら、こんなに資格を取っていなかったはずです。

私のようにお金がモチベーションになるという人はこのような制度のある会社に転職してみるのも良いと思います。

情報処理技術者試験は実践的でない?

これまた、こういうことを言うのは、たいてい資格を持ってない人です。無視していいでしょう。

私は、

  • 初級システムアドミニストレータ(ITパスポートの旧名)
  • 基本情報技術者
  • ソフトウェア開発技術者(応用情報技術者の旧名)

を持っています。

この他にも、

  • データベーススペシャリスト
  • ITストラテジスト
  • システムアーキテクト
  • プロジェクトマネージャ

これらの試験を受けて、午後Ⅱで惜しくも落ちています。

結果的に不合格となりましたが、これらの試験勉強をすることで、各分野の網羅的な知識を身につけられました。

午前試験で体系的知識が身につく

午前試験の勉強をすると、各分野で使われる用語の意味などを網羅的に学べます。仕事をしているだけだと、仕事で使う知識のみが増えていくため、知識の全体像が見えません。ですから、体系的な知識を学ぶという意味でも資格の勉強は価値があります。

午後試験で応用力が身につく

午後試験では、各分野の業務を学べます。もちろん、実際の仕事と全く同じシチュエーションはないですし、試験問題にする時点で教科書的な対応を問うような問題にはなっていますが、それでも、その分野の業務の基本的な仕事の流れやノウハウが学べます。

この知識はこういう場面で使うというようなことが教科書的ではありますが学べるようになっています。何事も基本が大切です。教科書的な基礎知識を知っていると知らないのでは仕事の見え方が全然違います。

一方、情報処理技術者試験が実戦で役に立たないと言う根拠の一つに、

「おれは資格持ってないけど仕事できてるぞ!おれは以前試験受けて落ちたけど仕事できてるぞ!」

というものがあります。

資格持ってなくても仕事はできるって話

仕事によっては、きちんとした基礎知識がなくてもこなせてしまう場面は多々あります。今の所うまくいってるからといって、基礎知識が不要という証明にはなりません。

もちろん、資格を持っていなくても仕事ができる人はたくさんいます。逆に言えば、仕事ができる人が資格試験を受けて受からないことがあるでしょうか?

もちろん、全く試験勉強をしなかったら暗記系の問題が回答できず落ちるかもしれませんが、ある程度試験勉強をしたら、ほとんどの場合受かると思います。

また、情報処理技術者試験が実践的でないというのであれば、どんなテストなら実践的なのでしょうか?

ベンダー試験は実践的と言うけれど?

ベンダー試験に受かっても実務で何もできない人はいます。

以前勤めていた会社でOracleマスタープラチナを持っている人がいました。

「プラチナ持ってるなんてすごいですね。DB相当くわしいんですね!」

と聞いたら、

「いやテキストと問題集を繰り返し読んで暗記しただけだから、DBの仕事任されても何もできない」

と言いました。

この人は営業系の仕事をしていて、テキストを何度も読んだら合格できたという特殊な例ですが、「ベンダー試験は実践的、Oracleマスターは実践的」とは言い切れない証拠となります。

ベンダー試験も試験なので、知識を問うという意味では情報処理技術者試験と同じです。

なのでベンダー試験は実践的で情報処理技術者試験は実践的でないとは言えません。

そして、このセリフを言う人もまた「ベンダー資格は持ってて情報処理技術者試験は持ってない」ってパターンだったりするんです(笑)

資格試験を勉強するきっかけにしよう

資格取得するとその分野の知識が体系的に身について、仕事をしていく上での説得力や確信につながります。

とはいえ、就職・転職に必須ではありません。

ですから、自分が学びたい分野に資格試験があったら勉強するきっかけとしてチャレンジしてみる、そんな姿勢がいいんじゃないかと思います!