日本のITエンジニアが『インド人』に職を奪われる実質的可能性

   

アメリカのITエンジニアはインド人にかなり職を奪われていると言われています。

その理由はアメリカは英語が母国語で、インド人は英語が話せる人が多いからです。

一方日本ではどうでしょうか?私はインド人と仕事をしたことも旅行でインドに行ったこともあります。

これらの経験を踏まえて、日本のITエンジニアがインド人に職を奪われる可能性について考えてみたいと思います。

インドは本当にITと数学大国?

私は旅行でインドに行ったことがあるのですが、確かに英語が広く通じました。
旅行者にお金をたかってくるような人でも英語を話していたので、かなりの割合の人が英語を話せるのだと思います。逆に言えば、お金をたかるために英語が話せるようになったと言えるかもしれないですけどね。

ただ、きれいな英語ではなくて、発音にかなりインドなまりがあって、聞き心地に悪いうるさい発音でした。英語ネイティブじゃない国の人の英語の発音はそれぞれ母国語に近い特徴がありますが、インド人の英語はとくに癖が強いと感じます。

インドって数学がすごいって言われてますよね。ゼロという概念を考えだしたのはインド人だとか。

インド人って旅行者にやたら絡んでくるので雑談をする機会がたくさんあったので、数学についても聞いてみました。

「インド人って数学が得意らしいよね?」

すると、皆キョトンとしていました。私に話しかけてくるインド人は旅行者から金をふんだくってやろうという人たちなので、数学などのちゃんとした教育を受けている人たちではなかったからなんだと思います。

日本みたく識字率が高くて(ほぼ100%)、大学進学率も高い国でも数学に強い人というのは限られていますよね。インドのように教育水準が低い国だと余計にそうなのでしょう。

つまり何が言いたいかというと、「インドはIT大国で数学に強い」と言われているけど、それはほんの一部のトップの人達だけだということです。

ですから、「インドはIT大国で数学が得意な優秀な人達でいっぱいなので日本のITエンジニアは職を奪われちゃうよ!」というのは事実に反しています。

それから、オフショア開発というものがだいぶ前から話題になっていますよね。

オフショア開発で職が奪われる可能性

オフショア開発とは、インド人などの外国のエンジニアが日本に来て開発に参加するのではなく、システムの仕様を日本で決めて、開発をインドなどの賃金の低い国で行うというものです。それによって人件費を抑えられるので、コスト的なメリットがある方法です。10年以上前から、

「これからはオフショア開発が進むから、日本のエンジニアは職を失うよ」

と言われてましたが、実際そうなってませんね(笑)

私は以前、オフショア開発のプロジェクトに参加したことがあります。2006年のことです。

内容はかなり前に開発したJavaのWebアプリケーションが稼働しているAPサーバのバージョンがサポート切れになったので、バージョンを上げる際に、そのままだと動かないので、新しいフレームワーク、APIを使ったものに書き換えるというものでした。いわゆるマイグレーションってやつです。

「こういうコードの書き換えって定型的な作業が中心だから、どういうふうにコードを書き換えるかのガイドラインを日本で作って、そのガイドラインに従って、プログラムの書き換え作業はインドでやってもらおう」ということでプロジェクトが発足しました。

私が顧客と打ち合わせをして要求をまとめて、ガイドラインを作成しました。インドからは二人のエンジニアが来日しました。ブリッジSEってやつです。

一人は通訳の人で、もうひとりは日本語はしゃべれないけどバリバリのエンジニアの人というペアーでした。

エンジニアの方の人は、大学で高度な教育を受けている人でした。Javaの認定資格もいくつも持っていて、話している内容も、レベルの高さを感じさせるものでした。

そのブリッジSEにガイドラインの内容を説明して、必要に応じて修正などを加えて、インドの現地チームに作業をしてもらったわけですが、結果的に言うと、オフショアに作業を切り出したメリットはありませんでした。

日本で全部やってしまったほうが速いし、コスト的にも少なくて済みました。

「定型的な作業だから、オフショアでやればいいじゃん!」という考えで企画されたわけですが、「定型的な作業って日本でやってもすぐ終わる」ので、意味がなかったんです(笑)

日本とインドという距離の離れた場所でコミュニケーションをするには、ガイドラインも正確に間違いなく伝わるように丁寧な作りにしなければならず、コミュニケーションのオーバーヘッドが大きかったのが主な原因です。

類似の移行作業を100プロジェクトくらいやるってことであれば、オフショアでやるメリットはあったかもしれません。

今回やったのは3つのプロジェクトをマイグレーションするというものだったので、オーバーヘッドの方が大きくなってしまったということです。

ということでオフショアで職を奪われるという話も事実に反しているのではないかと思います。もちろん、オフショアで行われるプロジェクトは今後増えていくでしょうけれども、それが主流となることはないのではないかと思います。

日本語の壁よりも大きいものがある

英語を話せるインド人は多いですが、日本語の話せる人は多くありません。だから日本人エンジニアは安泰とも言われてますよね。

言語の壁に守られているって説です。

一方、中国人で日本語を話せる人はインド人よりもたくさんいます。日本で働いている中国人エンジニアはたくさんいますよね。彼らの話す日本語は仕事を進める上で十分なレベルです。

ですが、日本で行われている開発業務の大半を中国人がやっているかというと、全くそんなことはありません。

なぜでしょうか?

それは開発を発注する顧客企業の問題です。

一般企業の情報システム部や業務部門の人たちの多くは、作ってほしいシステムの仕様をきちんと提示出来ません。

仕様をきちんと提示できれば、日本人エンジニアが作っても外国人エンジニアが作っても同じものが出来上がります。

しかし、ざっくりとした要求しか提示できず、あとになって、やっぱりこうしてほしいとか、これが足りないとかってなると、コミュニケーションのオーバーヘッドが大きくなりすぎてしまいます。

日本人エンジニアの場合、顧客が言っていることがあいまいでふわふわした要求であることがわかっているので、先回りして、「こうした方がいいんじゃないですか?」とか「こういう機能があった方がいいんじゃないですか?」などと提案することが出来ます。

このような理由から、日本のITエンジニアの雇用は守られているという状況なのだと思います。

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