プログラマーよりSEの方が偉い?それは一部の業界だけ
「単価もSEの方が高いのも納得いかないし…」
「上流工程のSEがクソなせいで、PGが苦労するの許せん…」
業務システム開発のSIerだと、
- プログラマーよりSEの方が上級職
- プログラマーよりSEの方が偉い
っていう価値観・ヒエラルキーがありますよね。
私はこれまでに三度転職し、
業務システム → Webサービス → スマホゲーム
と様々な業種で仕事をしたところ、「プログラマーよりSEが偉い」って言ってるのは業務システム業界だけだとわかりました。
くわしく紹介します。
Contents
プログラマーよりSEの方が偉いのは『単価が高い』ってだけ
最初に結論を述べます。
業務システム開発のSIerでプログラマーよりSEの方が偉いと言われている理由は、
「プログラマーよりSEの方が単価が高いから」それだけです。
以前、私が勤めていたSIerのあるプロジェクトでは1人月の単価が
- プログラマー = 70万円
- SE = 90万円
でした。20万円も違うわけです。年間で240万円です。けっこうな違いですよね。
そりゃあ、給料もSEのが高くなりますし、社内での地位も高くなるわけです。
SEはプログラマーの上級職ではない
プログラミングできないSEってたくさんいます。
ふつう上級の仕事ができる人は下級の仕事もできます。1級建築士の人は2級建築士の仕事もできるはずです。
それなのに、なぜ、SEの中にプログラミングできない人がたくさんいるんでしょうか?
「SEの方が上級で難しいことだから、プログラマーより高い報酬をもらいますよ」と言って顧客企業から高い報酬を取るためにSIerが作り出したマーケティング(悪く言えば洗脳)だからです。
上流工程はやってみると実はかんたん
業務システム開発のSIerでは
「プログラミングは誰でもできる、要件定義や設計などの上流工程の方が価値があるんだ」
みたいな話をよく聞きますが、実際に上流工程を経験してみたところ、プログラミングに比べればずっとかんたんでした。
顧客の要望を聞いて、プロジェクトで達成すべきこと(要件)を定めて、要件を満たす機能を設計するだけですからね。
プログラミングの相手はコンピュータなので、完全に厳密なロジックが必要とされますが、上流工程は人間相手なので、プログラミングに比べればあいまいで不完全でもごまかせます。
「プロジェクトの進行管理をシステムでやりたいんですね。では要件は、
- タスクとその進捗を管理できること
としましょう。
この要件を満たす必要な機能は
- タスク登録機能
- 進捗管理機能
ですね。」
上流工程ってこんな感じです。本当は予算の管理もしたいのに、それが出てこなくても完了してしまいます。
- 予算管理ができること
これが抜けてることが後工程で発覚して、開発が大分進んだ後に仕様追加・変更なんてことになります。
何が言いたいかというと、「上流工程っていい加減に終わらせることができる」んです。
そして、プログラミングの経験がない人ほど、いい加減に終わらせてしまいます。なぜなら、プログラミング時のコンピュータの厳密なふるまい(書いたようにしか動かない)を知らないからです。
プログラミングをすると、コンピュータの厳密さを身にしみて感じますよね?それがわかってないと、厳密な要件定義、設計はできません。それなのに、現状のSI業界では、プログラミングできない人でも、単価の論理からSEを務めている場合が多々あります。由々しき問題です。
自社サービス運営企業に『SE』という職業はない
Webサービスやスマホアプリの開発にSEはいません。
- 運営
- プログラマー
- デザイナー
- ディレクター
- プロデューサー
呼び方は会社によって異なりますが、この5つの役割を持ったメンバーで構成されます。
職業名が仕事内容を表している
さて、ここで注目すべきことは、職業名が仕事内容と直接リンクしていることです。
- プログラム作るからプログラマー
- デザインするからデザイナー
- ディレクションするからディレクター
本来、当たり前のことなんですけどね。
それが
「要件定義と基本設計をするからシステムエンジニア?」
「はぁ?」ですよね。
システムの設計をするならシステムデザイナーの方がいいんじゃないですかね?
なぜ、そうなっていないかというと、あいまいな名前にしておくことで、あいまいな仕事しかできない人を顧客に派遣して高い報酬を要求するためです。
自社サービス企業は「上下関係」でなく「横の関係」
自社サービスのプロジェクトでは、はっきりとした役割を持った職業があり、互いの役割を理解し、尊重してします。
プロデューサーやディレクターがプログラマーより偉いなんてことはないんです。役割が違うだけなんです。
仕様変更が合った際にもディレクターが私の机に来て
「以前、~のような仕様でお願いしましたが、企画が変わって、~に代えていただきたいんですが、お願いできますか?」
と話をされました。完全に横の関係なんですよ。仕事って本来こうあるべきだなと感動しました。
お互いに相手の役割を尊重し、協力しあって仕事をする、これって理想的ですよね。
Webサービスやスマホアプリの現場にはそのようなすばらしい職場があるんです。SIerより断然おすすめできます!