未経験からプログラマーSEに転職で有利なプログラミング言語
これは私個人の考えと、転職エージェントから聞いた話の2つがあります。
それぞれ、違った観点があるので、順番に紹介します。
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自社サービス系よりエンジニア派遣系の方が入りやすい?
以前、転職エージェントに
「未経験の人が就職しやすい会社やスキルってどんなのですか?」
と聞いてみたところ、
「言語はJavaで、業務システムの受託開発や派遣をやっているSIerみたいな会社が一番入りやすいです。言語はPHPでもいいですけど、Javaの方が多いですね。」
と言ってました。
とにかく入りやすい会社はエンジニア派遣をやっている会社なんだそうです。
自社製品やサービスを開発しているような会社よりも派遣系の会社が入りやすいというのは、ビジネスモデルを考えてみると納得がいきます。
エンジニア派遣会社の入社が『かんたん』な理由
エンジニア派遣業は、未経験の人でも、スキルの低い社員でも、客先にエンジニアを送り込めさえすれば、報酬が得られます。
エンジニアを一人派遣する報酬単価は少なくとも月60万円以上なので、その60万円から給料や経費を引いた残りが会社の利益となります。
それに対して、自社製品やサービスを開発している会社が未経験の人を雇った場合、社員一人を雇うのに給料と健康保険、厚生年金、その他経費で少なくとも50万円くらいかかります。
未経験で入った人が50万円分の利益をもたらす仕事ができるかというと、疑問ですよね。
つまり、
- 派遣ビジネスは、仕事ができようができまいが派遣できれば、お金が入ってくる
- 自社サービスの会社は、仕事ができない社員を雇っても利益にならない
という違いがあります。
ですから、未経験の人が入りやすい会社はエンジニア派遣をやっている会社 = SIerなのです。
2ちゃんねるではエンジニア派遣、いわゆるSES(システムエンジニアリングサービス)をやっている会社を「人売り」「人身売買」などとネガティブな呼び方をしていますが、未経験の人がエンジニア経験を積むにはとても良い環境です。
最初の経験をSIerで積んで、その後、自社サービス系の会社に転職したっていいわけです。
続いて、私個人の考えを紹介します。
需要が多ければ良いってもんでもない
よくJavaやPHPは求人数が多いと言われてます。だからJavaやPHPを学ぶべきだともよく言われています。たしかにこれは一つの正解です。
しかし結局は、需要(求人数)と供給(エンジニア数)のバランスなんです。
求人が多くても、エンジニア数も多ければ、採用のハードルは上がりますし、逆に求人が少なくてもエンジニア数も少なければ、倍率は下がります。
この観点で考えると以下のように分類できます。
No | 需要 | 供給 | 分野や言語 |
1 | 多 | 多 | 業務システム開発(Java)やWebサービス(PHP) |
2 | 多 | 少 | スマホアプリ(Swift, Kotlin), Webサービス(Ruby), ゲーム(Unity), 人工知能(Python) |
3 | 少 | 多 | 組込系C言語など(以前はガラケーの仕事があったがスマホ化して需要激減) |
4 | 少 | 少 | Go, node.js, Scala, VR系など(これから需要伸びるかも) |
私の場合、No.2の「需要が多くて供給が少ない求人」で採用された経験があります。
私が未経験分野で採用された裏技
Unityでスマホゲームを作る仕事です。
Unityは急に大ブレイクした技術なので、求人数に対してエンジニア数が足りない状況です。
私のキャリアの大半は業務システム開発で、言語はJavaが中心でした。ゲーム開発は未経験でしたが、独学でUnityを学んで、かんたんな自作ゲームを作って、それを実績としてプレゼンして採用されたんです。
自作ゲームのできは特別評価されるようなものではなく、基本的な技術を使っただけのものです。それでも高評価をしてくれて「ぜひ、うちで働いてください!」と言われました。
未経験分野の仕事でこんな風に歓迎されたのは、需要(求人数)に対して供給(エンジニア数)が少なかったことが大きいと思います。
Unityは、就職のしやすさだけでなく、覚えると趣味でゲームを作ることもできて楽しいのでホントおすすめです。今なら、Unityオンラインブートキャンプとかでかんたんに学べますしね。
そんなわけで、需要と供給のバランスを意識すると、穴場的なおいしい仕事が見つけられて良いと思います。
企業が未経験の人を採りたがらない理由
ほとんどの求人は特別優れた人を募集しているものではなく、ふつうに仕事ができる人を求めています。
企業側からすると、「ハズレを引きたくない」だけなんです。
未経験者はその分野の仕事をしたことがないので能力が未知数です。経験者であれば、どんな仕事をしたかを聞けば、大体のスキルはわかります。大当たりもないですが、ハズレもないわけです。
これを逆手に取って、「自分はハズレじゃないですよ」と説得できればいいんです。
そして、ハズレかどうかの線引きがエンジニア派遣の会社 = SIerの方が低いんです。
「客先に派遣できるレベルならOK = 客先の面接が通るレベルならOK」
という基準です。
エンジニア派遣の仕事の流れの例
エンジニア派遣の仕事って、例えばトヨタ自動車が「給与計算システムを作れるエンジニアを一人派遣して下さい」という依頼をSIerにします。
SIerは給与計算システム開発のできるエンジニアを連れて客先企業(トヨタ自動車)を訪れます。
そこで、プロジェクト担当者から、開発スキルをチェックされます。
この面接でOKが出れば、次の日からトヨタのオフィスでシステム開発業務をすることになります。そして一ヶ月ごとに決まった報酬がトヨタからSIerに支払われます。
なので、この担当者面接が通るかどうかがポイントなんです。
逆に言えば、面接が通り、無難に仕事ができそうであれば、それ以上のスキルは求められないんです。
では、どうやって面接を攻略するかです。
スキルの証拠を示せれば受かる!
ちょっとしたWebサービスを作って、それを実績としてアピールすることだってできます。GitHubでソース公開するのもいいでしょう。
ちょっとしたWebサービスでも、会社で作ってる業務システムであっても使っている基本的な技術は変わりません。
- HTML, CSS, JavaScript
- サーバーサイド言語(Java, PHP, Rubyなど)
- DB(MySQL, PostgreSQL, Oracle, SQL Serverなど)
これらの技術を使って、何かかんたんなものでいいので作れたというのはとても説得力があります。
面接でやる気をアピールする人がいますが、やる気だけで採用側を説得することは難しいです。やる気があるんだったら、そのやる気で何か作ったほうがいいと思います。「やる気があるのに、何も作ってないっておかしくない?」と思われてしまいます。
作ったものを見せれば、「なるほど、これくらいのものを作れるのね!」と納得されますし、入った後に、仕事のミスマッチも起こりにくくなります。「あれが作れたんだから、この仕事任せられそうだな」と適切な判断ができますからね。
まとめ
- 未経験の人は自社サービス系よりもSIerが入りやすい
- 言語はJavaかPHPが求人数多くて有利
- 需要と供給のバランスを見れば、Java,PHP以外にも穴場はあるかも
- スキルがある証拠として、ネット上に自作プログラムやソースコードを公開するとさらに良い
参考になればと思います。