ITエンジニアの『将来性』について考えてみた

      2016/12/04

ITエンジニアのビジネスは大きく分けると2つあります。

1. 労働力提供系(SIer)
いわゆるSEみたいな言われ方をしているエンジニアの労働力を提供することで稼ぐビジネスです。SIer、受託開発、客先常駐みたいな世界です。
代表的企業はNTTデータ、野村総合研究所、ISIDなどです。

2. 自社製品・サービス系
自社の製品・サービスを開発し、販売あるいは運用することで稼ぐビジネスです。

つまり、ITエンジニアの将来性とは、上記したどちらの仕事かによっても変わってきます。

それぞれ分けて考えてみたいと思います。

1. 労働力提供型ビジネス(SIer)の将来性

SIer(システムインテグレータ)、システムベンダー、ソリューションプロバイダーなんていう風に言われてる会社です。

これらについては、内製化する企業が増えていくとか、年々単価が下がっていくなどと悲観的な意見がよく言われています。

ネガティブな見方をされがちですが、実際どうなのかを考えてみましょう。

内製化が進むとSIerの仕事がなくなる?

システム開発の内製化が完全に進んで、外注することがなくなったら、SIerの仕事はなくなります。といっても、そう簡単に内製化は進みません。内製化をすすめるには自社にエンジニアを雇わなければなりませんし、雇った人員を育てていくための仕組みが必要です。これは簡単なことではありません。

私が以前担当した顧客企業の情報システム部員は、情報システム部員であるにもかかわらず、ITの知識が十分にありませんでした。これだと、SIerから開発費をぼったくられたり、逆にあまりに安い料金をふっかけてしまって呆れられたりしてしまいます。

このような状況下で内製化を進められるでしょうか?難しいですよね。内製化をするということは企業の情報システム部がITの専門家になるということです。現在のように開発を丸投げしているような状況では難しいでしょう。中途採用でエンジニアを採用するにしても、優秀なエンジニアは優秀な企業に取られてしまうので、中途採用も簡単ではありません。

ですから、内製化が進むことによる仕事の減少はあまり心配する必要はないと思います。

一方もう一つのリスクとして、IT投資の減少が考えられます。

景気が下がればIT投資は減る

システム開発というものは一般企業にとって投資です。費用をかけてシステムを開発することによって、業務効率を上げて、経費を削減したり、競争力を高められれば、開発費以上を回収できるほどの利益がもたらされます。それを狙っての投資なんです。

投資が出来るのは業績が良いときです。不況になって業績が悪化すればIT投資も当然減ります。

これについて私自身の経験があります。リーマンショックの頃、東証一部上場の大手SIerに勤めていたのですが、その次の年に年収が70万円も下がりました。リーマンショックのような世界全体の景気が悪くなった場合、IT投資全体が減り、それにつられてSIerの業績は大幅に悪化します。

この頃も「SIerの将来性はない…」などということがよく言われていました。

しかし、景気は循環します。悪くなった景気はいつまでもずっと悪いわけではありません。

リーマンショックで落ちた景気はアベノミクスによって回復しました。もちろん、アベノミクスは根本的な解決をしてないのでいずれ景気は悪くなると言われていますが、なんにせよ、景気は良くなったり悪くなったりするということです。

ですから、景気が悪くなったときだけを見て、「SIerに将来性はない」というのは間違いです。

ここまで考えてみると、受託開発や客先常駐みたいないわゆるSE(システムエンジニア)に将来性がないってこともないことがわかりましたね。

続いて、自社製品/サービス開発について考えてみましょう。

2. 自社製品・サービス系ビジネスの将来性

こちらはポジティブな見方が多くて、私もこのブログでは「SIerよりも自社サービスのほうがいいですよ」という記事をたくさん書いています。

それは、自社製品サービスの方が、ビジネスとして比較した際にITエンジニアの重要性が高いビジネスだからです。

なぜ、私が自社製品サービス系を勧めているか?

SIerは労働力を提供することによってお金を稼いでいるので、出来上がったシステムの出来は関係がありません。極端な言い方を言えばシステムなんてどうでもいいんです。

顧客企業と、「このような仕様のシステムをいくらで、いつまでに作ります。」と決めて、約束通り作れればいいわけです。

出来上がったシステムを導入することによって顧客企業の業務効率がどれくらいあがって、売り上げがどれくらい伸びるかなんて、知ったことじゃないんです。(極端に言えばですよ)

システムの導入効果によってお金が払われるわけではないからです。できが良くても悪くても支払われる金額は変わりません。

決められた仕様と金額と納期で作れればいいんです。

すると、私達ITエンジニアが大事にしている「技術力」というものが評価されにくいんです。

決められた仕様と金額と納期で作れる最低限の技術さえあればいいので、それ以上の技術力は評価されません。

それに対して、自社製品サービスを開発している企業の場合、開発した製品・サービスの出来によって、そのソフトウェア製品がどれくらい売れるか?あるいはそのサービスがどれくらい使われるか?が決まります。

ITエンジニアの腕が会社の売上に直結するということです。ですから、ITエンジニアの地位が高いし、技術力が正当に評価されます。

なので、私は多くの記事で「自社サービスの仕事のほうがいいですよ」という話をしています。

ただ、今回の記事のテーマは「将来性」です。将来性という意味で考えると、どちらの会社にも将来性はあるし、潰れる可能性もあります。

どのビジネスもうまくやれば将来性がある!

SIerのような労働力を提供するビジネスでも、生産性を高めたり、営業力を強化することで売上を伸ばすことは出来ますし、逆に自社製品サービスの会社でも売れる製品、使われるサービスを作れなければ、稼ぐことは出来ません。

ですから、将来性という意味ではどちらも「うまくやれれば将来性がある」と言えます。

一般的な論調で「自社製品サービスの会社のほうが伸びてるしいいよ」と言われていても関係がありません。自分が入った会社に将来性があるかが重要だからです。

もっと言えば、自分が入った会社で、「自分がうまくやれば、その会社は伸びる」ということです。

ですから、自分が情熱を注げる仕事を選べばいいんです。

この時も、「仕事が面白いのは自社サービス系に決まってんじゃん!」とも限りません。人それぞれです。

自分はどちらかと言うと華やかさはなくても業務を分析して効率化するためのシステムを開発する仕事のほうが面白みを感じるという人もいるはずです。そういう場合は、SIerで受託開発や客先常駐の仕事をしたほうが、良いでしょう。

自分が情熱を注げるのは何か?ぜひ考えてみてください。

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