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メディカル・ホメオパシー 要点メモ【スティーブ・スミス著】

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まえがき

根本治療を唱えるホメオパスのなかには「現代医学によって名付けられた病名(疾患名)、診断には意味がない」とする人もいる。

しかし、ハーネマンは病名をつけてもそれは結果であり、本当の原審はバイタルフォースの滞りにあり、それが大本の病気であり、それは個別化され、レメディー名で呼ばれるべきとしたのであって、診断自体を無意味であるとしてのではない。

病名(疾患名)を使うのであれば「マラリアのような」「水虫のような」という感じに「XXのような」という言葉をつけるべきとした。

病気の根本はバイタルフォースの滞りにあるとしても、最終的にそれは心身の疾患として現象化する。

だから、クラシカル的には疾患あh重要ではないとしてもバイタルフォースの滞りのパターンとそれによって最終的に身体上に現れる疾患のパターンとの間には何らかの関係があると考えられ、したがって、その統計学に基づき病理的にレメディーを選択することは、一概に否定されるべきものではないと考えている。

つまり、病理的な観点から選択されたレメディーで根本治療につながることもあるのではないかと考える

現代医学の診断を否定するのではなく、レメディー選択の一つの情報としてとらえるべき。

そういう点において本書は有用。

そもそもハーネマンは「精神症状は確かにその人を表すが、体はもっと懸命にその人を表す」と言っている。

精神を必要以上に重視することに注意喚起するために「オルガノン」に書き込んだ。「偏見のない観察茶としては病気の兆候、減少、症状など識別できる心身の症状の変化だけをみることである。(バイタルフォースが)特別に語りかけてくる症状を治癒の対象と認めず、いったい症状遺体の何を治癒しようというのか」(由井要約)。要は「いま出ている症状で最も主たるものをみるのであって、出てもいない症状をあれこれ想像してレメディーを出さないように」と言っている。

レメディ

P47 手根管症候群 Ruta, Calc-phos、Causticum、Hypericum

P51 脊椎損傷 Arnica ハーネマンも「障害を乗り越え治癒に導く」といっているように、それが過去のものであっても、ショックによる障害を乗り越えさせることが出来る。全身が揺り動かされ、いまも「エネルギーが漏れ出ている」(マーフィー)ので、その漏れを止める処方をスル。これはエネルギーレベルに対する処方であって、症状のレベルに対する処方ではない。

P58 こむら返りは血液の供給不足や筋肉の使いすぎから起こる。Magnesium、Phosphorus、Colocynth。それ以外にもレメディーはたくさんある

腱鞘炎 Arnic、Rhus tox

捻挫のナンバーワンレメディーはRhus tox

五十肩 Rhus tox

不眠

P102 ★Coffeaは楽しいことを期待するレメディ。Arg-nitは悪いことを心配するレメディ。Gelsemiumは痛みを心配するレメディ

★Ignatia 考え込むタイプで、日中に交わした会話、特に感情に影響するような会話について何度も考える。悲しみのレメディーの一つ。優柔不断。

★Sulphur 知的なことを繰り返し考える。例えば「手っ取り早く大金持ちになる」などの大きな計画を夜中に考えたり、日中に考えていたことを引き続き夜も考える。ワクワクするアイデアがあると、脳のスイッチを切ることができない。

フローター(floater)

ロビン・マーフィーが名付けた「今現れている症状への通り道となっている症状」のこと。

これがあれを引き起こし、あれは別のものを引き起こし、それが不眠を起こしている。もちろん違う方向へ行くフローターもある。

いずれにせよ、症例の中心となっている症状に注目し、治療する事が重要。

たいていは順序を追って行う

すでに確立している症状の改装(ケントの階層など)を使ったからと言って、いつも正しいレメディを選べるわけではないということ。症例を何でも型にはめようとしないほうがいい。

不眠はこのようなタイプの症例としてよく当てはまる

消化器系

肝硬変 Cuprum 痙攣とこむら返り >発汗でよくなる

太陽のビタミンといわれるビタミンDは、卵黄、肝臓、マグロ、ビタミンD強化牛乳などから接種できる。多くの食物に含まれるステロールが皮膚へと移動し、日光にさらされると体内でも合成される。

腎臓。クル病(ビタミンD欠乏症)では体がカルシウムやリンを吸収できないため、肋骨や頭骨の変形、O脚が特徴的である

副腎にストレスを与えるような物質

茶、コーヒー、タバコ、チョコレート

男性生殖系

鼠径ヘルニア 二大レメディはLycopodiumとNux vomica。これらは代表的な男性のレメディと考えられる。ヘルニアがが(医師の元へ行く途中に)絞扼(こうやく=締め付けられること)したら、Belladonna、Opiumまたは少し多めにNux vomicaを与えるのが良いだろう。

勃起不全の原因となり得るもの。喫煙、向精神剤(MAOIや抗うつ剤)、アルコールなど。原因が脊髄損傷ならHypericumの1Xを1時間毎に与え、Hypericumのチンキを同量のワインと蒸留水にまぜて脊髄の幹部に塗布する

長期の性的不能 Lycopodiumの30Cを8時間おきに与える。ロビンマーフィーでは高齢男性向け、唯一の慢性のレメディー

皮膚

湿疹 Berberis-vulg 腎臓の第1レメディー、腎臓機能に関わる要素があればこれを選ぶ

P275 Sulphur 最もよく知られる皮膚のレメディ。治癒の前に悪化を起こすことが知られている。

ニキビ

P278 にきび 狭い毛包内に髪、皮脂、ケラチン細胞がつまっているために栓ができ、これがニキビの始まりとなる。この栓のせいで、普通なら皮脂が毛穴を抜けて皮膚表面にたどり着くのだが、それができなくなる。

皮脂と細胞が恥じると、皮膚表面に常在する最近が、つまった毛包のなかで成長するようになる。この細菌が化学物質や酵素を賛成し、白血球を引き寄せて炎症が起こる。つまった毛穴の壁が崩れると、付近の皮膚に皮脂、剥がれた皮膚細胞、細菌が飛び散って、損傷やできものが生じる。

ニキビは一般的に冬に悪化し、夏に改善することが多い。おそらく太陽光線が細菌に影響を及ぼしているためだろう。

治療。従来、食事とニキビはあまり関係がないといわれていたが、私の経験では違っていて、思春期の子供は食事に気を使っていないので、果物や野菜を多く食べる(または単にジャンクフードを減らす)と同時に水分を沢山摂取すれば改善すると思う。これが直接効果を示すのか、単に質の良い食事で急激なホルモン活動が調整されるのかは不明である。よいレメディとしてはFolliculinum(男性にも女性にも)、3大「Carbo」Carbo vege、Carbo ani、Carboneum sulph、そしてもちろんPsorinumまたはSulphurがある

妄想性(変質性)障害

ナイアシン(ビタミンB3)を用いた初期の試験では、ナイアシンによって急性統合失調症の回復率が2倍位になった。1953年のことである。この結果は慢性統合失調症では再現されなかった。その他の試験ではビタミンB6が役立つことが示された。その他、砂糖、精製した食物、紅茶、コーヒー、コーラ、アルコール、タバコなどの刺激物をを減らす。以下を多めに取る。マルチビタミン、ビタミンC,亜鉛、マグネシウム、マンガン、クロミウム、葉酸(ビタミンBの1種)

うつ病

モノアミン酸化酵素阻害剤は、チラミンと作用し、血圧を上昇させるため、食事療法が必要。三環系抗うつ剤には特別な食事は必要ない。

状態不安

不安からくる身体症状というのは、なんらかの将来的な脅威を予期していて、それに対処する「準備」を慢性的にしていることを意味する。こうした症状には、落ち着きのなさ、筋肉の緊張、不眠、頭痛などがある。不安が強くなると、心拍亢進、発汗、血圧上昇、吐き気、めまいなどがあらわれることもある。

状態不安を治療する場合、不安の焦点を知ること、また不安に伴う症状についても知ることが大切である。この2つの要因は、レメディを探す際にとても役に立つ。

P301 Kali ars パニック発作が起こるかもしれないという不安から、また発作が起こる。この悪循環で次から次へと歯車が回っていく。

斜視

P319 通常新生児は収集感のうちに目の焦点を合わせられるようになる。この練習機には眼は片方ずつバラバラに動き、最終的に強調して動くようになって双眼鏡のような画像を結べるようになる。

しかし片方の目が何らかの理由で上手く機能していないと、焦点が2つできてしまい、複視となる。脳はどちらかの目(弱い方)からくる情報を抑制して、こうした混乱を修正しようとする。そうすると眼は「なまけ」たり、弱視(ぼやける)になったりして、徐々に機能しなくなる。

抑制が数年続くと、子供は5歳までには片目だけで見るようになる。そうすると外見上の問題に発展し、怠けてる目は視線の先と違う方向に向くようになる。

従来の治療法。通常は良い方の目を眼帯で覆い、弱い方の目の黄斑を鍛え、必要であれば怠けている目の筋肉を手術し、もう一方の目と協調して機能できるようにする。

成人に起こる突然の斜視は、眼の外筋とつながる神経の1つが損傷を受けて起こることが多い。考えられる原因としては、糖尿病、多発性硬化症、神経を圧迫するような動脈瘤などがある。

ホメオパシー治療。この疾患は治療しにくい。非常に長期に及んでいることが多く、患者がそれに慣れていることもある。考慮するレメディは、Belladonna、Cicuta、Cyclemen、Nat-mur★などである。とても幼い頃からの疾患である可能性も考えると、私ならマヤズムレメディー、おそらくはSyphilinumも考慮する。

 - 健康

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