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大切にすべきじゃない親もいる

2015年1月9日に投稿 → に更新

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一般的に「親は大切にすべき」だと言われています。

「親孝行したい時に親はいない、だから親孝行できるうちにしておいた方が良い」

なんてセリフもよく聞きます。

しかし、何事もケースバイケースです。どんな親でも大切にすべきなんてことはないはずです。

では、どんな親なら大切にすべきではないのでしょうか?

一言でいえば「自分に悪影響を与える親」です。

例えば、子供の幸せを望んでいない、子供が幸せになるのを許せないような親は大切にすべきではありません。できる限り関係をを断つべきです。

親は自分を生み出した自分にとって特別な存在です。そのため親を冷静かつ客観的に見ることは難しいものです。

そこで、私の親のひどさを紹介することで、親を客観視し、どういった関係を築いていけばいいかを考えていただけたらと思います。

この記事を読みながら解説してる動画もあります。ぜひ見てみてください!

自分の親が素晴らしい人間とは限らない

あなたが今までに会った大人を思い浮かべてみてください。素晴らしい人っていましたか?もちろんいたでしょう。

では、あなたが会った人の中で素晴らしい人は全体の何%でしたか?

おそらく半分もいないでしょう。人によっては1割もいないかもしれません。

そうです。みんながみんな素晴らしい人ではないのです。

人間は皆欠点を抱えています。素晴らしいと感じた人でさえ、何かしらの欠点を抱えています。完璧な人間なんていないんです。

現実はそうであるのに、自分の親が(少数派の)素晴らしい人間であると考える方が間違っています。

なので自分の親が素晴らしい人間だと盲信したり、素晴らしくないことを嘆くのはやめましょう。事実を認識することが大切です。

母の呪い

大切にすべきじゃない親もいるということを示すために私の母のエピソードを紹介します。母は人生に対してネガティブで父と結婚したことを悔いていて、祖母のことを恨んでいました。

愚痴を聞かせられないなら、あんたを育てた意味がない

母はパートの仕事をしていたのですが、職場ではいつもうまくいっていないようで、職場の愚痴を私に聞かせてきました。こちらが相槌を打たなくても、永遠と話し続けました。私がトイレに行くために部屋から退出しても一人で愚痴を言い続けていました。

これは異常だと感じて「仕事の愚痴を聞かされても困るからやめてほしい」と母に伝えました。

すると、母はこう言いました。

それじゃあ、意味がない…。

「えっ?意味がないってどういうこと?」と思われたかと思いますが、私には一瞬で意味がわかったんです。

それじゃあ(愚痴を聞かせられないなら)、(あんたを育てた)意味がない

という意味なのです。驚いて言葉が出ませんでした。

私は母が愚痴を浴びせてストレス発散するために育てられたということです。ひどい話です。

この話を後日母に聞いてみた所、

「家族なんだから愚痴を聞くぐらい当たり前。家族は助け合うものなんだから」

と言いました。この言葉そっくりそのまま返してあげたいものです。家族は助け合うものなんだからこそ、相手が嫌がること(一方的に愚痴を言い続ける)をすべきではないということがなぜわからないのでしょうか?

自分のことしか考えてないからでしょう。

愚痴を浴びせてストレス発散するために子供を育てるような親を大切にすべきではないのは言うまでもありません。

あんたっていつも自分の体のことばかり大切にするわよね

私はこのようなひどい親に育てられたためなのか、疲れやすかったり、体調を崩すことがよくあったので、日ごろから、健康に関する情報を調べて試行錯誤していました。そんなある日母が言いました。

あんたっていつも自分の体のことばかり大切にするわよね

え?体を大切にして何が悪いの?体を大切にしちゃいけないの?

あきれてものも言えません。母の言った意図はこういうことです。

「あんたっていつも(母親である私よりも)自分の体のことばかり大切にするわよね」

ということです。自分のことしか考えていないのです。

子供の体調よりも自分の気分を優先するような親を大切にすべきではないのは言うまでもありません。

化学物質を使わない生活をしたいんだったら出て行って勝手にやりなさい。私は協力する気はないから

私はこのようなひどい親に育てられたためなのか、化学物質過敏症という病気になったことがあります。

化学物質過敏症は一言でいえば化学物質アレルギーです。例えば香水のにおいを嗅いだら、めまいがしたり、体が硬直したりします。人によって症状は様々なのですが、私の場合は化学物質によって体が凝ってしまうというものでした。化学物質に接触すると肩こりみたいな凝りが体中に起きてしまう、そんな状態でした。

北里病院に行って化学物質過敏症の治し方を聞いた所、

「できるだけ化学物質の使用を避けてください」ということだったので、石鹸シャンプーや自然素材の衣服を買ったりという努力をしていた所、母がこう言いました。

「化学物質を使わない生活をしたいんだったら出て行って勝手にやりなさい。私は協力する気はないから

鬼婆としか言いようがありません。人が弱っていて困っている時になぜこんなことが言えるのでしょうか?

自分のことしか考えていないからでしょう。究極の自己中です。

自分が一方的に愚痴を聞かせ続けるときには「家族は助け合うもの」と言っておきながら、子供が病気になったら切り捨てる、もはやまっとうな人間とは言えないでしょう。

人が体調を崩して苦しんでいる時に切り捨てるような発言をするような親を大切にすべきではないのは言うまでもありません。

ちなみに化学物質過敏症は気功で治りました。そのレポートをまとめた記事があるのでぜひ見てみてください!

続いて父のエピソードを紹介します。

父の呪い

母だけでなく父もろくでもない人間でした。いつも機嫌が悪くて、自分の人生を悔やんでいるくせに自分は頭が良いと勘違いしていてプライドだけは高い痛い人でした。

お前は俺を試しているのか?

家族で日本の地方ごとの都道府県名を順番に言っていくゲームをやっていた際に、東北地方の時に私は「岐阜県」と言いました。当時私は小学校低学年でどの地方にどの県があるかなんてよくわかっていなかったので、頭に浮かんだ岐阜県を答えただけでした。その時、父が私にこう言いました。

お前は俺を試しているのか?

「はぁ?何を?」

なんですが、「私が岐阜県が東北地方ではないことを知っていて、父がそれを知ってるかどうかを試した」と思ったのでしょう。

小学生相手に知識を試されていると感じる程、自分に自信がないのでしょう。そのくせプライドだけは高くて、他人をバカにしているようなしょうもない人でした。

お前は本当にサッカーのセンスがない

父は学生時代にサッカーをしていました。その影響なのか私も中学生の時と高校一年の途中までサッカー部に入っていました。

父とサッカーの話をしていた際に私が「リトバルスキーがDFに背を向けた状態で、鋭い切り返しをして相手を翻弄しているのがすごい」という話をした所、

「お前は本当にサッカーのセンスがない!!」

と言いました。父の考えはサッカーで大事なのはボールを持ったら前を向いて相手に向かってドリブルで仕掛けていくことだというものでした。確かにボールを持ったら前を向いて相手に向かってドリブルで仕掛けていくことは大事なことですが、サッカーには様々な局面があります

前を向ける状況ばかりではありません。相手に背を向けて、ボールをキープしなければならない場面もあります。相手を背負いながら、ボールをキープするのは追いつめられている状況なんです。そんな苦しい局面なのにリトバルスキー選手は巧みなドリブルで相手を翻弄していたので、すごいなぁと私は思ったわけです。

それを父はその狭い視野の価値観のみで否定したのです。今の私ならば反論できますが、中学生の私は父の意見を受け入れてしまい自信をなくしてしまいました。

父のこの発言は2つ問題があります。

  1. 内容が間違っている
  2. 相手の自己イメージを下げてしまう

1の内容が間違っているというのは先ほど説明した通り、サッカーにはいろいろな局面があり、相手を背負う場面のテクニックも重要だということです。なのに前を向いてドリブルでしかけるテクニックのみを重視しているのが間違っています。視野が狭すぎます。

2の相手の自己イメージを下げてしまうというのは、この場合、息子である私の自己イメージを下げていることです。「おまえはサッカーセンスがない」と言われて、それを受け入れてしまったら、「自分はサッカーセンスがない人間なんだ」という自己イメージになってしまいます。

父もまた母同様に自分のことしか考えていない人間だということです。自分の発言によってどんな影響を与えるかについて考えが及ばないんです。

ちなみに当時父は「世界で最も優れた選手世界No1はカズ(三浦知良)だ。ミスが少ないからだ。」と言っていました。当時Jリーグでキングカズこと三浦知良選手が大活躍していました。三浦知良選手が優れた選手であることは認めますが、世界No1プレイヤーと言ってしまうのは、これまた視野が狭すぎます。世界にはすごい選手がたくさんいます。結局のところ、父は当時流行っていたJリーグしか見ていないにわかサッカーファンだったのです。

父親は子供より知識がある場合が多いので無批判に正しいと思い込みがちですが、私の父のように視野が狭く知識レベルが低い人間も誰かの父になっている場合があります。これはとても注意すべきポイントです。

愛情のない親が死んでも涙は出ない

私の父はガンでなくなっています。タバコの吸い過ぎ、お酒の飲み過ぎが原因とのことでした。父が亡くなった時、涙は一滴も出ませんでした。悲しい感情も全くありませんでした。

血のつながりがあっても心がつながっていなければ、そんなものなんでしょう。自分に関係のない人が死んだ、そんな感覚でした。

親のせいにするのではなく、自分の人生に自分が責任を持とう

このように親の批判ばかりしていると、「自分の人生を親のせいにして悲劇のヒロインを演じているんじゃないか?」と言われることがあります。確かにそんな時もありました。

かといって、「自分の親はいい親なんだ、もっといい面を見つめよう!」と無理やりポジティブな解釈をするのも間違っています。

大切なことは、事実を事実として認識し、受け入れることです。

過去は過去であり、未来は自分の手で作り出すことができます。

自分の人生がうまくいかないのを親のせいにするということは、自分の人生が親に支配されてしまうことを認めることになってしまいます。これからの人生は自分でコントロールできるんです。そのためには、自分の親が大切にすべきでない親の場合はできるだけ関係を持たないことが重要です。

今私が母と会うことはほとんどないし、メールや電話もしていません。

それは母を恨んでいるからではなく、良い人生を生きようと決めたからです。母とのかかわりをなくすことが良い人生を生きることになると判断してのことです。

常識的に「親は大事にすべき」であろうがなんだろうが、自分で選択することが大切です。それが自分の人生に責任を持つことであり、自分の望む人生を生きるということなんです。

最後に1冊おすすめの本を紹介します。岩月 謙司さんのなぜ、母親は息子を「ダメ男」にしてしまうのか (講談社+α新書)

という本です。

この本は「自分が不幸であることを認めない母親が子供を使って自分を幸せにしようとするメカニズム」について解説しています。私の母親とあまりにそっくりで本当に驚きました。自分が頭の中で考えてたことが言語化されて解説されてるような感覚がしました。読んでいて、なんだか救われたんです。自分の親だけじゃないんだなと。

私は自分の親の話をいろいろな人にして、

  • 「親の悪口を言うのは良くない」
  • 「なんでも親のせいにして甘ったれてる」

などと言われ、「なんでわかってくれないんだ!?」と何度も紛糾してきましたが、少なくともこの本の著者である岩月謙司さんは私を理解してくれるだろうなと嬉しい気持ちになりました。ぜひ読んでみてください。

 - 人間関係

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Comment

  1. kome より:

    悪い親っていうのは、1度や2度のひどい言動で決め付けるべきではなくて。
    どんな子供でも社会でいっぱしに働けるまで育てて送り出すのは、並大抵ではないはず。
    その辺に恩義を感じないところを世間にさらすのは、親に対して非礼で。

    子供にも権利はあるけど、脳機能的に正常でも、どうしようもないくらい生まれつき非道な子供もいるわけで、どうにもならず困り果てて事件化する場合もある。

    専業主婦もまだまだ多い中でつらい環境に必死に耐えながら賢明に働いてくれた母。

    ストレスにためがんになるほど自分を抑え込んで酒とたばこという合法的で他人をいじめるという方法で解消しなかった父。

    すばらしい親御さんじゃないですか。

    • yamarou より:

      >悪い親っていうのは、1度や2度のひどい言動で決め付けるべきではなくて。

      1度や2度でもないんです。そしてひどい言動だけで決め付けたわけではないです。記事に書いたのはあくまで象徴的なことです。全身で感じた結果の判断です。

      >どんな子供でも社会でいっぱしに働けるまで育てて送り出すのは、並大抵ではないはず。

      大抵の親は子供を社会でいっぱしに働けるまで育てて送り出しています。よって並大抵です。(簡単だという意味ではないです。大抵の人がやっているという意味で並大抵のことだと言えます。)

      >専業主婦もまだまだ多い中でつらい環境に必死に耐えながら賢明に働いてくれた母。
      であればいいんですけど、そのストレスを子供にぶつけて解消していたのです。自分より弱いものにストレスをぶつけて解消するというのはアンフェアな行為です。いじめと同じです。

      >ストレスにためがんになるほど自分を抑え込んで酒とたばこという合法的で他人をいじめるという方法で解消しなかった父。

      自分を抑え込んでたというよりは、現実から逃げていたように見えました。家にほとんど帰ってこなかったのも「うまくいってない家庭」という現実から逃げていたように見えました。

      >すばらしい親御さんじゃないですか。

      そう考えられたらいいなと思います。コメントありがとうございます。

  2. hana より:

    私の母も非道な人でした。
    酒・タバコ・男、いつも自分の事しか考えてない人です。
    子供を愛するという気持ちがない様に感じました。

    記事に共感出来た事が、嬉しかったです。有り難うございます。

  3. トラ より:

    こういう題目って、大抵生んでくれた親に感謝すべきと発言する第三者がでてきますが、まったく同じ環境で育ってきたわけでもないのに他人の断片的な話だけを聞いて自分の価値観を押し付けてくる人間っていますよね。そもそも断片的な話だけをして共感してくれるのは元々同じ感情を持っている一部の人間だけのケースも多いと思うので難しいですよね。
    生んでくれた親に感謝すべきというよりも、生まれてくる子供自身のメリットを考えて子供を産んでくれたわけではなく、必ずしも子供のメリットを考えて育ててくれるわけでもなく、まずは親が子供を生みたいから、あるいは結果生まれてしまったというだけで、親は自分にとって何かしらのメリットがあるから子供を生むわけです。学費やらなにやらかかって苦労したと子供にいうのであれば「じゃあ生まなければよかったじゃん」って話。こういう親って自己責任意識がないよね。なので子供は親に感謝すべきというよりは子供が親に感謝するようになるという方が自然であって「親に感謝すべき」と「押し付ける」ものではないと思う。
    こういう話をすると「どう育てても感謝しない資質の子供もいる。」と話題を変える方もいますが、そもそも子供を生むこと自体、その後に起こる全ての事が親の自己責任という事ですよね。子供は自ら望んで生まれてくるわけじゃないですからね。

  4. より:

    私はいまだに「私なんて大嫌い」「私なんて不幸になればいい」という親からの刷り込みによって、自分が不幸になるように行動していると思えてなりません。自分の行動が自分の本心なのか親の呪いなのかわからないのです。そしてそれを消す事が出来ないまま不幸なまま人生を無駄に消費しています。精神科のグループワークにも通ってますが、親の呪いを潜在意識から消去する方法はわかりません。精神科医もわからないみたいです。毒親は死んでますが本当に憎しみしかありません。母親は自殺でしたが自業自得としか思えませんでした。悲しくて泣けて仕方なかったですが、あの人間が死んだから悲しいのではなく、「どうした私にはこんなにもひどい家庭環境しかなかったのか。まともな家族が欲しかった。」という絶望と悲しみの涙です。心の全く通わない、暗い、本当に暗い家庭環境、それに最後のダメ押しをしやがって。という悲しみでしかありませんでした。母親は私にだけ遺書を残しませんでした。私が嫌いだったんです。私も大っ嫌いで、ずっと関係を断ち切ってました。憎しみが強すぎて、会えば殺してしまうかも知れないと本当に感じていたからです。(なのに母親は私の住所を探して来て、しつこく絡んできました。私に自分を殺させて、一生消えない傷を私につけてやりたかったんだと思います)
    まあこんなクソ親の事はもうどうでもいいです。私の潜在意識の中のクソ親の刷り込みを消す方法を本気で知りたいです。

  5. きじ より:

    それでも育ててもらった分感謝するべきという意見に賛成はできないです。
    子供は親が偉い存在だと思っているので親の真似をしたり悪いことでもそれが良いことだと認識してしまいます。性格も周りの環境や状況により決まります。親の愛を感じられなく心を病んでしまい非行に走る人もでてきます。
    良いこと悪いことを区別してしっかり叱り褒めてあげることをしなければいけないと思います。
    しつけができないなら性行為はするべきじゃないです。

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