背骨が通れば、パフォーマンスが上がる! 要点メモ【高岡英夫 著】
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高岡英夫さんの「背骨が通れば、パフォーマンスが上がる!」を読んだ。
Contents
要点メモ
体格に恵まれていないのに素晴らしいパフォーマンスを発揮している選手に注目する。メッシ、内村航平、清水宏保、小平奈緒、イチロー
運動進化論。魚類は背骨しかない。手足がないのに体幹だけですごい速さで泳ぐ。水中という三次元空間を生きており、空間の認知能力が極めて優れている。魚をヒントに背骨の使い方を考察した。
壁柱角脊椎通し
壁柱角脊椎通し = 壁の角に背骨の溝を押し当てて上下させる体操。踵と壁は10~20センチ。離れすぎると刺激が強すぎで身体を痛めるので注意。「ダラ~・ズシ~・ズブリ」「ゆるむように、ゆるむように」「解かれるように、解かれるように」環境センター法をやってから行うのも良い。
人間の身体運動の高度化には「立甲」化が不可欠。
脊柱管は脊髄官、もっといえば脊髄トンネルと読んだほうが適切だと思う。
人間の身体は放っておくと前に倒れてしまう。倒れないために背骨の棘突起側の筋肉が働き続けなくてはならない
背骨周りの筋肉は7層にも及ぶ。
壁柱角脊椎通しでズブズブという感じがしない部分は横突棘筋には届いていない。だから、そうならない部分は焦らず急がず丁寧にやっていく
壁中角横割脊法。
壁柱角脊椎通しの格好で上下ではなく左右にやさしく動かす
頚椎刻回軸法などはよくわからなかった。動画などで動きを見ないとわからないかも、残念。
脊柱筋が固まってしまうと、背骨周りが太くて硬い柱だと脳が認識してしまう。脳が身体の役割付けを適切に行えない。
カール・ルイス
カール・ルイスは「痩せて衰えたのでは?」と記者からコメントを求められた際に高岡先生は「背中側はむしろ大きくたくましくなっている。ますますいい選手になった」と答えた。
前から見て立派な筋肉をつけることはタブー。胸側に筋肉がつくと重心線と理想の体軸がずれてしまう。
センターの第3軸のところにできる2種類の軸。1 垂軸=全身の質量と筋肉骨格センサーによってできあがる軸。2 体軸=支持構造としての背骨を基準に出来る軸。
垂軸と体軸がピッタリと重なるように形成された選手は稀で、とくに日本人では数えるほどしか存在しない。2004年頃のイチロー。清水宏保。小平奈緒。高木美帆2018年オリンピック。
拘縮脊柱では軸らしきものが背骨の後ろ半分にできる。太さも不均一で斜めの線や交差したようなでたらめに線をつなげていったようなものにしかならない。
椎骨中心線と重心線がどれくらい離れてるかは人によって違う。
太ってて腹が出てる人とかは重心線が椎骨中心線よりも前になり離れてしまう。身体の裏側(後ろ側)に肉があればあるほど、重心線は椎骨中心線に近づいていく。若いうちだけ活躍する選手は、この差を脳(皆納である小脳と大脳基底核という、まさに潜在脳が働き続ける)の力で埋めてきたが、歳を取るにつれて脳の疲労回復能力の低下などでできなくなってパフォーマンスが落ちる。石川遼、小野伸二など。
垂体一致
恒常的垂体一致=潜在脳で垂軸と体軸を近づけようとした時に背中側・腰側に筋肉がつくような動きがおおくなり、筋トレをするにしても体幹の裏側を鍛えるようなメニューが好きになる、そうして垂軸と体軸が近づいて一致する
垂体一致 = 悟り = 大悟(禅の言葉で言えば) = 無の境地(武術的な言葉で言えば)
カール・ルイスも内村航平も垂体一致の完全一致には至らなかった。
垂体軸呼合接近現象=垂軸が体軸のほうに寄り添っていくこと。これは身体運動家だけでなく禅の最高度の高僧に至るような鍛錬家、超一流の職人、農家、場合によっては、そういう意味での身体活動を行っていない政治家、芸術家でも起こりうる。
「ゾーンに入る」という言葉は何かを論理的、明確に説明できないため、学問的概念とは言えない。それを垂体一致、垂体軸呼合接近現象で説明した。
補助メソッド
脊椎細解法(モゾ攻め、トロ攻め、クネ攻め)、立位と仰臥位(ぎょうがい)で行う。ゆる体操の背骨クネクネや寝ゆるの腰クネクネのような動き
溶粘歩動法。ゆる体操の脚ネバネバ歩き。脊椎、肩甲骨、肋骨、骨盤にそれぞれ焦点を当てて緩めていく。
肩甲脊椎割垂軸。立甲で行う。浅層主導系と深層主導系がある。
股関節(転子)揺解法。鼠径部の中心に中指を突出させた状態で手を当てて、細かく揺する、そのゆすりに合わせて、股関節をモゾモゾと揺解運動させていく。この運動は背骨の運動でもある。
テイクバック時の背骨の動きは共通している。
野球のバッティング、サッカーの左足のインステップキック、テニスのフォアやサービス、バレーボールの右のアタッカー、サービス、バスケの右から左へパスを送る動作、右腕によるシュート動作。
殆どの運動がRA=LLTB。RA(Right Arm 右利きの人の右腕系運動構造), LL(Left Leg 左利きの人の左脚系運動構造) TB(Tack Back)
内・外腹斜筋に手を当てて、体幹を回すとなめらかに動く
腹斜筋主導の動きは望ましくないが、腹斜筋の脱力以上に背骨まわり、脊椎に関わる筋肉の脱力のほうが比較にならないほど圧倒的に重要。
脱力はわかりにくい概念。
脱力という概念には操作性がないから。脱力せよと言われても何をしていいのかわからない。脱力よりもゆるめるのほうがふさわしい。ゆるめるのほうが操作的だから。脱力=力が抜けること。緩解=ゆるめ解きほぐすこと、ゆるめときほぐれること。
拘縮脊柱が緩解すれば、軸の成立・形成について、あえていえば神秘的といえるほどエレガントなことが起きる。
肩甲骨脊椎揺解法。
1 立位で左右の肩甲骨をモゾモゾと肋骨からはがすように動かす。 2 片側だけ、右側の肩甲骨のみモゾモゾ動かす。ポイントは背骨から反対側を格定させて行う 3 2を左のみ行う。 4 右の肩甲骨と背骨の間の筋肉をモゾモゾ動かして解きほぐす。 5 4を左のみ行う 6 極めて難しいやり方だが、左右の背骨の際を、背骨だけを動かしてゆるめ解きほぐす。肩甲骨を使わずに、背骨の動きだけで背骨のまわりを解きほぐす。 7 これまた難しいが、肩甲骨を動かさずに、背骨だけで右側の肩甲骨と背骨の間の筋肉を解きほぐす。 8 7を左側で行う 9 背骨を格定し(動きを止めて)、右の肩甲骨だけを動かして、肩甲骨と背骨の間の筋肉を徹底的にゆるめていく 10 右の肩甲骨を格定し、背骨だけで右の肩甲骨と背骨の間の筋肉をゆるめる 11 9の左版 12 10の左版 13 背骨も肩甲骨も動かして、背骨と肩甲骨の間の筋肉を解きほぐす 14 さらに難しくなるが、背骨と両肩甲骨を格定し右側の肩甲骨と背骨の間の筋肉だけを解きほぐす 15 続いて背骨だけを動かして、背骨を揺解しながら、いま動かした筋肉をゆるめる。難しいかもしれないが、左側は確定し、中央の背骨を動かして右側の筋肉だけを解きほぐすために、背骨を動かす 16 14の左版 17 15の左版
股関節(転子)脊椎揺解法。
中指突出法で股関節の中心をゆすりほぐしながら、股関節の中心が「ペチャクチャ」とおしゃべりしているつもりで、実際に口でつぶやきながらやる。左右の転子も順番にペチャクチャと行う。腰椎の5番、4番にも行う。ステップ2 1 左手は左の転子を触って、右手は仙骨を触る。 2 仙骨と左の転子の2箇所同時でペチャクチャしてみる。これはダイナミックに行う。 3 手を変えて、仙骨と右の転子を同時にペチャクチャ・ペチャクチャする。たくさんやるのは禁物、仙腸関節を脱臼する恐れがある、とんでもなく痛い、治りにくい障害なので、絶対にそうならないよう注意。
背骨を割る。
身体意識としての脊側。脊側=壁柱角脊椎通しでこすられている場所。ここが上から下までスパーッと切り離されるような状態になることを「脊側ができた」と言う。
脊側と脊側面。側体(右側体、左側体)
側体をずれ動かす。ずれる大きさは大きくても数ミリ単位。たった2,3ミリでもここが立てにずれることが起きてくると、その運動に革命的な高度化をもたらす。縦=上下だけでなく、前後にもずれるようになり、これがまた軸回りの回転運動加わってくることになる。20代半ばの全盛期のタイガー・ウッズは典型的で、中央体と側体を縦方向、そして前後方向にわずかにずらす運動によって、テイクバック動作の最初のスタートを切っていた。まず中央体・側体がずれ動いて、そこから軸まわりの回転運動に入っていった。
背骨の両サイドを割ってずらせるようになると、まず自分が立って存在している空間=「身体空間」と、その外側に身体の延長として存在しているグラウンド、コート、ピッチ、フィールド、さらには他の選手やボールなどの物体を含めた、広い意味での身体空間を捉える能力が突出して高くなる。これがゾーンに入った=垂体一致だけでは説明できない世界(脊側と脊側面)があるということ。
魚の身と骨を箸で分けやすいのは、人が食べやすいようにわざわざこうした身体になっているのではなく、魚類は脊側面が出来ているからこのように身離れが良い。魚には手足がなく、体幹だけであれだけの動きができるのは、脊側をずらし動かしながら、その脊側をずらすことをきっかけにしながら波動運動を起こしていることによる。天敵に襲われ、急制動をかけたときなどは、脊側のずれがより多く使われる。
脊椎割体前後ずらし法。
ウォーミングアップ ステップ1 両手をへら状にして胸骨の端に沿って指先を当て、スパーッといいながら、そこを上下に動かして切っていく → アレンジして指先で体をほぐしたら気持ちよかった。 ステップ2 1 手で一面手法を作る。2-3-4-5 真っ平ら感がほしければ、左手だけ床の面を触って本当に平らだとよく味わってから、その平らさを左手に写し取って、右手と合わせる。6 胸鎖関節--恥骨結合部ラインに、酒盗の形で当てて、側面上を切っていく。一面をきちんと作らないと効果がない。手で切るのではなく、面で切ること。非常に高度な次元身体意識を根本から作っていく画期的な方法だから丁寧にやることが必要。7 上から下まで、スパーッと小刻みに切っていく。8 右側体・左側体を手で触って確認する。このときへら手で側面を切りながら、もう片方の手で左右それぞれの側体を触っていくと効果的。左右の側体に挟まれた部分は、中央体と言う。9 右側面、左側面を意識する。そこを境に身体がずれ合うように、縦にずらしていく。まず右側体が頭の方向に向かい、左側体が脚方向にずれていくように行う。縦にずらしているつもりでも、身体がひん曲がっているだけのこと多いので気をつける。身体がくの字になる、腰がローテーションしてしまう、肩だけ上がってしまうのはNG。10 9の逆版。
脊椎割体縦ずらし法。
ウォーミングアップステップ2の1-8は同じ。1 右側体・左側体を意識して、右側体を天井方向に引き上げる。身体が回ってしまったり、肩だけあるいは腰だけ、脚だけが上がってしまうのはNG丁寧にチェックする。2 1の逆版
トレーニングの指針。1 寝ゆる(腰もぞ、背もぞ、膝コゾ、すねプラ)などにハマること。2 地球重心と重心線を身体意識するテクニック「美しいシルバーの地芯、上空6000キロに立って、乗って、寝て…」とつぶやきながらどんなトレーニングもする 3 大脳の新皮質で最大の領域を持つ身体部分である手~手首~腕~肩系のルースニング「手スリ 手首プラ 肘クルン 肩ユッタリ」と一面手法にはまること 4 壁柱角脊椎通しにはまること 5 環境センターにハマること 6 その上で本書掲載の画期的なメソッドのうち「これは面白そうだ、イケそうだ 自分の種目にはぜひ必要だ」と思えるものに取り組んでいくこと。肩甲骨や股関節の素晴らしいトレーニング法も加えるとさらに効果が上がる。
人類が直立する道を選んだことは、垂軸と体軸を一致させる根本的な要請があったから以外に理由はありません。
感想
垂体一致の話がおもしろかった。フットサルをしてた時にゾーンに入ったように感じたときには、体の中の何かがピタッと一つに定まっている感じがしていた。
壁中角横割脊法 肩甲骨脊椎揺解法 脊椎割体縦・前後ずらし法 をやっていこうと思う。
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