ホメオパシー大百科事典 要点メモ【Dr.アンドルー・ロッキー著】

主な原理と理論

P16 ハーネマンとケントが本来唱えた理論を忠実に守ろうとするグループは、古典方式ないしはケント方式の根本体質処方を守り、患者の情緒的特質と身体症状にはい書すべきであると考え、高いポテンシーを用いた

P21 マヤズムとはむしろ、ある特定の病気にかかりやすい傾向—感受性—である。例えばPsoraは発育不全と栄養失調に、Sycosisは異常な生活ペースト精神・肉体両面の過剰活動、Syphilisは破戒、劣化、腐蝕などに関係している。

治療のタイプ

P21 ホメオパシーから派生したものにアイソパシー（isopathy:isoは等しい）もある。病気の原因となった物質を希釈・振盪させ、症状の治療に使う。この方法は各患者独自の体質が考慮されないため、クラシカルホメオパスは20～30％の治癒率しかないと考えている。

アイソパシーの概念を前進させたのトートパシー（tautopathy:tautoは同一）であり、その症状の引き金となった物質そのものを用いてレメディを作って使用する。理論的には実際にその人を刺したハチを使って作らなければならないことになる。

主な鉱物レメディ

P70 硝酸 二トリック・アック 過去に拘る 内心不満 辛らつ あら探し 典型的利己主義者

P74 硝酸銀 アルゲントゥム・ニト 外交的で容器、感じやすい人。神経質になり、病的恐怖や迷信にとらわれる場合もある。頭の回転が早い。

P75 オーラム 金 やるべきことを達成ていないと感じることが多い。ワーカホリック たえず努力 人生への幻想が砕け散り、絶望する

P99 ★スルフル Sulphur 硫黄 生命力を高め、長引く病気を取り除くレメディーとして、どのタイプの人にも投与される。前立腺の炎症。

比較的限られた症状に使われるマイナーレメディ

P124 亜硝酸アミル アミル・ニト アミリウム・ニトロスム 衣服に体を締め付けられる感じを持つことが多く、いつも新鮮な空気を渇望。気が弱く心配性、落ち着きがない。しばしば眠れず疲労困憊。

P127 アサルム 神経質で興奮しやすく、敏感すぎる人

P131 フッ化カルシウム カルク・フルオル 不安、特に健康に対する不安。貧乏を恐れ、けちで他人を妬む。

P149 ヒ酸カリウム カリ・アルス ★これを読んで、自分は健康に不安を感じているというのとは違うかもしれないと思った。健康というよりは痛みや苦痛に対する恐れなのかもしれない

P153 炭酸マグネシウム マグ・ムール 長期間苦しんできて精根尽き果てたと感じてる人。騒音や接触に敏感。静けさと平穏を熱望

P166 病気のことをくよくよ考える 人に同乗されると立腹する 怒りっぽく、むっつり、内向的、気分が沈む、眠りにつくことを恐れる 膀胱炎、頻尿

P169 テリディオン 騒音に敏感。騒音を聞くだけで痛みと震えが起こる。時間はあまりにも早く通り過ぎる。人に冷淡

P176 靭帯に有毒作用をもたらす可能性のある家庭要洗浄剤などの強力な物質の使用は控える。

病気の治療

P187 脳卒中 ヌクス・ヴォミカとルス・トクスは根本体質レメディーとして処方することがある。血管に親和性のあるレメディ（アルニカ＝ショックと脳出血。ヒロスキアムス＝錯乱、不適切な行動を伴う麻痺性の脳卒中。）

P189 過敏性腸症候群（IBS）症例紹介。出てくる症状に合わせて異なるレメディを順番に処方し、ストラモニウムを再度処方して以来、ずっと元気にしている。

P190 潰瘍性大腸炎 子供の頃に思いは歯科に掛かっていたので、はしかのノゾを処方した。このレメディがよく効いたので、ポテンシーを上げて処方した。

P193 酒さ性ざぞう（アクネ）プリソリヌムを約18ヶ月間、ポテンシーを上げながら服用し、症状は著しく改善した。 P194 重症の湿疹 5歳 その後8ヶ月間、様々なポテンシーで処方した。8ヶ月後に症状がかなり好転し、サルファもほとんど必要なくなった。

P195 乾癬 22歳 フォスフォルス（リン）を処方すると皮膚症状は改善し始めた。人生を気楽に考えるようになりよく眠れるようになった。1年後に癌を恐れるようになり通勤のストレスが加わって、乾癬が再発。再びフォスフォルスを処方すると、乾癬は落ち着いた。現在でも再発するがフォスフォルスでよくなる。

P202 前立腺肥大には、レシチンを指示に従い15ml（茶匙1杯）ずつ摂る。亜鉛のサプリメント、月見草オイル。便秘にならないように気をつける。差パルはパ梅っと（ノコギリヤシ）という名でハーブとしても入手でき、前立腺炎二効果がある。常温圧搾した亜麻仁油を1日2回10～15ml（茶匙2～3杯）とるのもよい。症例、フォスフォルス、リコポディウム

P205 慢性疲労症候群から回復するカギは休息。どんな活動をするときにも、疲れずに100％達成できる場合に使うエネルギーの25％は温存しておくべきであることを意味する。100m疲れずに歩ける氷魚とは75mだけ歩く。

症例でよく出てきたレメディ リコポディウム、アルセンアルブ、ヌクスボミカ、サルファ、フォスフォルス。

P208 ガン 注意事項　四肢のいずれかに原因不明の腫脹（腫れること）がみられる場合は医師に相談したほうがいい。

P211 心（意識）と情緒 24歳 子供の時、学校でいじめにあっていた。抑うつと広場恐怖症。エイズ、他人に移してしまう恐れ。アナルカルディウム・オルを処方され、抑圧した感情を開放するために妊娠中絶したことについて手紙を書く。疲労感と頭痛が見られたのでラク・カン（犬の乳）を処方アナルカルディウム・オルも繰り返し処方

P２１３ 悲嘆にくれる人に最も大切なのは、感情を表出すること。話しづらいなら、自分の思いを書き綴ったり、絵に書くなど他の表現方法を用いる。症例ではリン酸（フォスフォリック・アック）＝激しい消耗をともなる悲嘆に用いる。娘の死についての罪悪感→ナト・ムール（岩塩）→娘がいないことの寂しさにバッチフラワーレメディをいくつか。自分の家族が辛い目に合うことへの怒りにイグナティア

セルフヘルプ

P219 坐骨神経痛 コロキンシス★ 怒り、特に抑圧された怒りに関連する症状

P221 眼精疲労 ルタ★ 抑うつ 満足感の欠如 他人に批判的になる 不安

P221 結膜炎 エウフラシア 質問に答えるのがおっくうになる はっとして目を覚ましがちになる

P221 まぶたの痙攣 アガリクス 健康への不安から緊張が起こる 些細な問題を大げさに考えるようになり、死への恐れさえ抱く 夜、過度に興奮する

P225 風邪 ヌクス・ヴォミカ いらいら 他人に批判的になる

P227 咽頭痛 ドゥルカマラ 人と口論する傾向 他人に批判的になる。ゲルセミウム 抑うつ いらいら

P228 咽頭炎 カウスティクム 抑うつ 煩わしい対人関係への過敏症

P231 こむら返り アルニカ★ 触れられることを怖れる 痛みに対して神経質 騒音への過敏症

P232 歯痛 痛む歯とその周りにクローブ油を塗る。服用しているレメディにクローブ油が解毒剤として作用する場合は使用しない。 歯肉炎 カレンドゥラとヒペリクムの溶液でうがいする。

P237 胃腸炎（嘔吐下痢症）コロキンシス いらいらと過敏症 ★現実もしくは空想上の虐待に対し、抑圧した怒りや憤りを感じる

P239 痔疾 ハマメリス 症状の不快感に伴ういらいらのほかは時にない アエスクルス 抑うつ いらいら 集中力散漫 目覚めた時の錯乱

P239 便秘 ブリオニア イライラ 。ヌクス・ヴォミカ★ 怒りとイライラ 騒音、接触、圧迫への過敏症。アルミナ 身体的には小康状態だが、精神的に切迫した感覚 嫌な予感がする 錯乱することがある 非現実的な感覚があることがある P241 継承のざそう（吹き出物） ★カリ・ブロム 吹き出物を掻くとあとが残りがちである 落ち着きのなさ 神経質 懐疑的 無力感。ヘパ・サルファ 触るととても痛い膿疱 著しいいらいら かんしゃく 吹き出物に触られると激しく罵りがち。ブルサティア 思春期に出来る吹き出物 涙脆さ 自己憐憫 同情を得たいと思う 声を出して泣くと好転

軽症の湿疹 アルセン・アルブ★ 不安 落ち着きのなさ 安心を得たいと思う。グラファイト 臆病 優柔不断 不安や抑うつ 感情過多

おでき ヘパ・サルファ 極めて不機嫌になることがある 心身ともに触れられたくないと思う

P242 頭髪の脱毛 甲状腺の問題や貧血、ビタミンやミネラル不足、ストレス、ショック、特定の薬物が脱毛の誘引になることもある。セルフヘルプ：毛染めやパーマ早めて、頻繁な洗髪も避ける。髪は自然乾燥させる。頭皮マッサージ。タンパク質をとる。リコポディウム ★自信の欠如 臆病 怒り。セピア 涙もろさ いらいら 愛する者への無関心 性交を嫌がる

P243 いぼ トゥヤ 過敏症と傷つきやすさ 夢が妨げられる。カウスティクム 悲観論と抑うつ 悲嘆にくれる人や動物にひどく同乗する 感情過多

子どもの健康

P250 滲出性中耳炎 カル・カーブ 不安と自信のなさ 多くの恐れ、死に関することを含む 悪夢を見ることがある。カリ・ビク いらいら 失望。

扁桃炎 奇妙な姿や恐ろしい物体の幻覚を伴う譫妄があることがある ベラドンナ。神経質と過敏症 理性を欠いた行動をし、悪態をつきがち ヘパ・サルファ。いらいらと感情過多 臆病で内気な傾向 感情に対する過敏症 メルク・ソル

百日咳 落ち着きのなさ 不信感 不安 怒りがすぐこみ上げる ドロセラ。孤独を嫌がる 暗闇、幽霊への怖れ 不安 いらいら 神経過敏 カリ・カルブ

P252 おたふく風邪 メルク・ソル イライラで感情過多、または臆病で内向的 感情的な過敏症

男性の健康

P264 勃起障害 リコポディウム 性欲は旺盛だが、勃起したり勃起を持続させる自信がなく失敗すると感じている 悪化：きつい服を着る 食べ過ぎ。アルニカ 打撲傷が原因 一人になりたいと思う 問題があることを認めない 治療の拒絶 触られることへの怖れ。アグヌス・カストゥス 過渡の性交による勃起障害 健康への不安 死への怖れ 性機能は低下しているが、性的な発送が増大する

日本国内におけるホメオパシーのスクール

1997年に由井寅子さんが、英国のプラクティカル・ホメオパシーを研修する機関（ホメオパシー医療アソシエーション）の公式認定カレッジを立ち上げた。→ロイヤル・アカデミー・オブ・ホメオパシー（RAH）

その半年後に、永松昌泰さんがクラシカル・ホメオパシーを研修するソサエティー・オブ・ホメオパシー（ホメオパシー協会）認定校であるSoluna School of Homeopathyと融合するアカデミーを設立。→ ハーネマン・アカデミー

その後医師グループ（帯津良一さんを中心とする）が英国のファカルティー・オブ・ホメオパシー（ホメオパシー医師団）に見習って、クラシカル・ホメオパシーによる医師の研修を行う医学会を設立。→ 日本ホメオパシー医学会

2002年には、上記とは別に、ギリシャのビソルカスの考えを元にしたクラシカル・ホメオパシーのスクールが開校された。→ インターナショナル・アカデミー・オブ・クラシカル・ホメオパシー日本支部 青山 熱海