暇と退屈の倫理学 要点メモ【國分功一郎 著】
2024年2月4日に投稿 → に更新
※ 自分の言葉で書いてるので、正確な表現でないところが多々ある
なぜ、人間は退屈するのか?
人間はもともと遊動生活をしていた。遊動生活では、定期的に移動するため、新たな地を観察、認識するのに忙しい。
定住生活では、遊動生活時に使われていた能力を持て余してしまう。だから、暇になり退屈する。
定住生活によって生まれた暇、退屈(=余裕)によって、芸術、文化、科学技術(=文明)が発達した。
パスカルは「家の中でじっとしていればいいのに、外へ行って他人と比較したり、刺激を求めるから不幸になるのだ」と言ったが、定住生活によって能力を持て余した人間はそうせざるを得ない。
ハイデッカーは退屈を3つに分けた。
- 時間をつぶすために何かをしようとする退屈。例 列車の出発時刻の6時間前に着いてしまって、道路の模様を数えたりする時。=期待してる時間よりも時間が遅い
- パーティに参加して、それなりに楽しかったが、なんとなく退屈していた。
- 暇、退屈=余裕がある=自由である → 決断することで退屈じゃなくなる
だが、著者は3と1は同じだという。3で決断することで1になる。
環世界
ダニは、
- 哺乳類が発する臭いを感じる
- ニオイに向かってダイブする
- 哺乳類の温度を感じる
- 触覚で毛のない部分を探して血を吸う
という単純なシグナルで動いている。単純なシグナルで世界を認識している。「哺乳類が」と書いたが、ダニ自身は哺乳類と認識していない。特定のニオイを発するものとしか認識してない。人間が視覚を中心に五感で世界を認識しているのとは違う。
これを環世界と言う。ダニの環世界と人間の環世界は違う。
人間は環世界を行き来する
作曲の理論を学んだ人とそうでない人では同じ曲を聞いても、認識の仕方が異なる。人間は知識、経験によって環世界が変わる。
ハイデッカーは人間は環世界にいないと言ったが、それは間違い。
動物も盲導犬などは訓練によって、環世界を変えられる。訓練前の犬にとっては主人にとって危険なものを認識していなかったのが、訓練することで認識できるようになる=環世界が変わった。
消費と浪費
消費 = 広告によって提示された新しさを消費する
浪費 = ものを受け取り活用する
資本主義により消費社会になっている。
浪費するには、ものを受け取る訓練が必要。
美術館を楽しむには美術の歴史についての知識が必要。
自分が楽しみたいことを楽しむ訓練をすればいい。
慢性疼痛
急性疼痛 = 怪我や炎症による一時的な痛み。物理的な傷が癒えればなくなる
慢性疼痛 = 物理的な原因がなくても痛みが発生する。痛みの記憶。記憶が痛む。記憶により痛む。
慢性疼痛の患者は急性疼痛を「快」と感じる。DMN時に痛みの記憶を参照しやすくなっているから、急性疼痛が起きると、それが阻害されて「快」と感じられるのだろう。
人が退屈を避けたがるのは、退屈だと記憶の痛みが発生するからではないか?
サリエンシー = 出来事が突出してる度合いのこと。痛みの記憶はサリエンシーが高い。
熊谷晉一郎やA・ヴァニア・アプカリアンの研究結果の紹介
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