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要点:不安性がわかる本 とらわれから抜け出す 原井宏明

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危険を察知するために不安が生じるが、その生じ方は3つある。

  1. 条件付け
    対象や場、状況を学習する。過去の体験から恐怖を覚えて対象を学習する。その場合は状況を学習し、同じだと感じたら特殊に反応が起こる。
  2. 刺激等価性:
    同様のものなら危険と感じ、恐怖や不安が発生した対象が状況と全く同じでなくても、同じ言葉で示されるものや概念として共通するものに対して、同じように恐怖や不安を感じる。

例として:

  • 「マムシは危険」
  • 「爬虫類も危険」
  • 「イグアナも危険」

のように、共通の概念を持つものへと不安が波及していく。

  1. 社会学習:未経験のことでも学べる
    自分が体験したことだけでなく、他人の経験や、実際に経験した人以外、あるいは架空の物語などからも、危険なものや状況を学ぶことができる。

不安は対策するから消えなくなる。

不安は本来、一過性の状態です。しかし、そのまま放っておかずに対策し始めてしまうと、なかなか消えていきません。

  1. 調べ続ける
    情報は多いほど不安は募りやすくなります。特にインターネットでは、自分が気になっている情報ばかりが集まりやすく、かえって不安を強める結果になりがちです。
  2. 回避し続ける
    回避行動、つまり不安になることを避ける振る舞いは、習慣化しやすいという性質があります。特に理由なく回避し続ける傾向が見られ、次のような悪循環に陥ることがあります。
  3. 備え続ける
    よからぬ状態に備えようとすると、その度に不安がないかを確認し、思い出すことになります。その結果、かえって不安をより強めることになります。
  4. 想像が確信に変わる
    調べたり、備えたり、避け続けたりするうちに「変に思われたかもしれない」「よからぬ状態になっているかもしれない」という想像が確信に変わっていきます。そして、その確信がさらに不安を増大させていくのです。

不安にならないようにするための行動、「安全確保行動」というこうした対策が、功を奏したように思える場合もあるだろう。

しかしその結果、「備えなければ大変なことになった」という確信が強まり、「不安はあったがなんとかなった」という経験ができなくなったりする。対策をすることで、その場限りで消えていくはずの不安が、いつまでも消えなくなってしまうのだ。

年をとるほど不安になりにくい。

スタンフォード大学のローラ・カステンセン教授による、18歳から94歳までの200人を対象にした研究では、年をとるほど悲しみや怒りなどのネガティブな感情より、喜びや楽しみなどポジティブな感情を感じやすくなることが示されています。

残された時間が少なくなると、些細な問題にとらわれにくくなるためと考えられます。

何事も原因があるとは限らない。体の症状や病気も、休んでも改善しないと「異常」を調べて犯人探しをしたくなる。

しかし、実は体の症状や病気の大半は、はっきりした原因がない。医師は診断名をつけてくれるが、それが原因を示しているとは限らない。

例えば、高血圧の大半は「本態性」である。本態性とは、原因不明の言い換えである。

一方で原因探求をしている人に、「あなたの不安の原因はこれだ」と教えたり、解決策を提供したりする人たちもいる。政治家やジャーナリスト、コンサルタント、宗教家。

彼らにとって不安は格好の商売ネタだ。これは精神科医や心理師も同じ。

原因を見つけたと思うと一時的にホッとするが、不安が消えないと、再び原因を探し出したり、原因と思われる出来事を避けて生活するようになったりする。

良かれと思ってやっている原因探しで余計に不安になり、結果的に悩みを増やすことになる。

血液外傷恐怖は、血管迷走神経反射を伴います。

採血をしたり傷口を見たりするだけで、血の気が引いて顔色が真っ青になり、時には失神してしまうといったことが起こります。

こうした身体症状は「血管迷走神経反射」と呼ばれる神経系の反射的な反応によって引き起こされますが、これは生き延びるために有利に働いてきたという側面があります。

  1. 血圧が下がることで、傷口からの出血が抑えられる
  2. 気絶することで死んだように見え、外敵から攻撃される恐れが減る

実際、刀剣による戦闘が繰り広げられてきた地域では、血液外傷恐怖が見られる割合が高いことも知られています。

採血時の失神に効く応用緊張の行い方

両手の手のひらを合わせて押す。
腹筋が硬い板のようになるくらい力を入れる。
膝と膝をぎゅっと合わせる。

筋肉を緩めて20〜30秒休んだら、また力を入れる。これを5回ほど繰り返し、頭の中がボーッとのぼせてくるまで続ける。これは血圧が上がってきた証拠。血圧計で測りながらやればもっと確実。

この状態で採血をすると、具合が悪くなることなく終えることができる。

避けようとすることが悪化させる。

緊張が高まり、不安でいっぱいになったときにさまざまな身体症状が現れるのは珍しいことではない。

問題は、検査などで体の異常がないと分かった後も不安が続くこと。

そして、広場恐怖症。

実際に発作が起こったところだけでなく、発作が起こったときに助けを求めにくいと思われる場所にいたり、出かけたりすることにも強い恐怖を感じるようになることもある。

病気不安症:

  1. 重大な病気かもしれないと恐れる病気不安症
    些細な症状や身体感覚を重大な兆候と捉える
  2. 体の不調の訴えを繰り返す身体症状症
    「ここが痛い」「違和感がある」などと周囲に訴え続ける

どちらも完全な健康が、行われることへの恐れが背景にある。受診しても明らかな異常が見つかることはまれ。だからこそ不安は消えず、何度も訴えが続く。うっかりやこだわっている点は、脇に置いておいて、他のことをする時間を増やすというのが得策。

繰り返し浮かぶ不快な考え(強迫観念)と、それを打ち消すために過剰に繰り返される行動(強迫行為、儀式)が見られる場合には、強迫症と考えられます。

考えや行動の繰り返しが止まらないのは、不安というより不全感の強さが影響している。
強迫症・強迫性障害(OCD):考え・行動の繰り返しから抜け出す(原井宏明・松浦文香監修、講談社)で詳しく解説しています。

本当に薬のおかげかどうか。

例えば、パニック発作を放っておいても、30分も経てば自然に治まる。
抗不安薬は即効性があるとはいえ、薬の作用がピークに達するまでに30分くらいはかかる。

本当に薬で抑えられたように見えても、薬を飲まなくても結果は同じだった可能性がある。

認知行動療法:行動記録で自分のパターンを把握する

セルフモニタリングは認知行動療法の基本。
一定期間、行動記録を取って振り返ることで、自分がどのような生活をしているか、どのような気分で過ごしているかが分かります。

  1. 自分の気分を点数化
  2. 毎日の行動、気分を記録
  3. ふり返る 不安を感じている時間は、意外に限られている。どんな時に不安が強まるのか、どこで何をしている時に不安になるかなどの、自分の傾向が見えてくる
    同じ形式で記録してく
    Dさん(50代男性)のケース:
    行動記録を実践。「こうしなければ」から「これでもなんとかなる」と思えるようになり、生きやすさにもつながった。

不安の時にすぐすることを変えてみる。

拮抗行動を増やす。

ある行動と同時にできない別の行動を「拮抗行動」という。

例えば、不安を感じたときにスマホなどの情報機器で検索し続けるという行動は、拮抗行動を増やせば自然に減る。

検索は後回しにする。別のことをした後は検索してもよい、というくらいの気持ちで取り組むとよい。

調べ続けたり連絡したりする前に、まずは自分でドリップしたコーヒーを飲むのも、拮抗行動の一例だ。やりたいこと・快行動を見つけて、あらかじめ予定を入れておくのも良い。しないではなく、別のことをする。不安を強める行動を別の行動に置き換えていく。

あえて不安を高めるエクスポージャーを実践。

死の恐怖のような不安であっても、何度も経験していれば慣れていく。エクスポージャー・曝露療法と呼ばれる治療法
わざと不安や不快になることをする。限界まで続ける。

ネガティブな考え、最悪の場面、嫌な気持ちになるような事態をあえて考える。

不快な感情や不快な感覚、動悸が激しくなったり、息苦しくなったり、めまいを起こしたりするようなことをあえてする。

不安や不快な状態を極限まで高め、その状態を味わう。何もしなければ、時間とともに不安や不快感は必ず下がる。この一連の流れを経験する。

恥さらし訓練(社交不安症のように人目が気になる人向けの課題):

「恥をかくかもしれない」という回避傾向が強くなっている場合、あえて人目を引くような格好をして往来を歩くなど、恥ずかしい状況に身を置く訓練です。

内部感覚エクスポージャー。

パニック症をはじめ不安症群の病気は、身体症状が不安の元になっている場合が少なくない。

そこで、苦手な場所や物など「外部」ではなく、動悸、息苦しさ、めまいなどが起こることを想定して、不快な「内部感覚」に向き合う方法が必要である。何度か経験するうちに慣れが生じて、動じなくなる。

不安に慣れる、不安なままでいい。

したいことをする。

不安は不安なままにしておく。不安を解消するためではなく、純粋にしたいことをするのがポイント。不安な点はすべて対策済みと思っていても、想定外の事態が生じることもある。備えは無駄になるかもしれない。

不安に慣れるには、結果がどうなるか見えなくても、まず動き出す、やってみることが重要。期待通りの結果じゃなくても、むしろ大失敗だったと思うようなことになってもなんとかなる。

医師に言われた「不安を味わおう」という言葉に従い、「ようこそ不安さん、よく来たね」と声をかけるようにした。声かけを始めたら、落ち着いて自分自身を眺められるようになった。これまでは些細なことで不安や焦燥を感じて自分を罰していたが、今はそんな自分を大らかに受け入れることができている。

不安に慣れる。ありったけ心配する。最悪のストーリーを考える。

考えすぎないようにと思っても考えてしまうなら、徹底的に心配する時間を作る。不安に慣れるために、恐ろしい最悪の展開を考える方法もある。

「心配エクスポージャー」

時間を区切り、思いつく限りあらゆることを心配し、不安を感じていく。

例えば、朝目覚めてからの30分などと時間を決めておけば、あれこれ考えて眠れないときも「明日考えればいい」と、逆に眠りやすくなったりします。

最悪のストーリー。内部感覚エクスポージャーの具体的な実践法。

こんなことになったら嫌だという思いが不安を強める。その不安をさらに強めるような、もっともっと嫌なストーリー展開を考える。

あえて強めた不安、あとは弱めるだけ。

あえて不安を極度まで強めておくと、あとは弱まる(緩まる)一方。

すると、「不安を消すにはどうしたらいいか?」と悩むのではなく、「まあ、なるようにしかならない」と思えるようになっていく。

その変化を体感できるようにしよう。生活の中で不安のきっかけも、そうして緩まっていく。

Cさん(30代女性)のケース。一生続けるのが目標と考えられるようになってきた

練習できない日があっても「続かない」と諦めず、「一生続けるのが目標」と前向きに考えられるようになってきている。

Iさん、50代女性のケース。幻影を見て不安になっていた

課題に取り組んだりカウンセリングを受けたりするうちに、自分が目の前の問題そのものではなく、大きく映し出された幻影を見て不安になっていたと気づきました。

同時に「行動しよう」という気持ちも湧いてきました。ボランティア活動を始めるなど、新たな人とのつながりも生まれている。

嬉しい、楽しい、そんな風に感じられる幸せな体験を重ねていくと、いつの間にか不安は消えていく。

消そうとしなくても消えるのです。

今がおろそかになりやすい。

心配がやまなかったり、不安でたまらなくなったりしている時、頭にあるのは未来や過去のことばかり。今に目を向けられなくなっている。
残りやすいのは嫌な記憶、気がかりなのは確実な未来, 先のこと。生きていく上で、それが次の失敗を避けるために役立ってきたから、そのような性質があると考えられる。
マインドフルネスで今に集中する時間を作り、頭の中を整理させるのも良い。

先のことを心配し、ネガティブな予想や想像でいっぱいになっているのが不安な時の状態。

過去のネガティブな体験の記憶は「前もそうだったから今回も同じだろう」という思いを強め、想像を確信へと変化させていく。

Jさん 60代女性のケース:内部感覚的曝露(めまいや吐き気に慣れるための練習)

わざとめまいを引き起こした後は気分が悪くなったが、それをやってからだんだん乗り物酔いが少なくなっていった。

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