要点:実用介護ヨーガ 成瀬雅春 著
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人間の可能性に限界を定めず、通常では考えられないようなことも可能にできるのがヨーガなんです。
これ以上無理だろうというところから、ほんの少しでも良い方向へ持っていくのがヨーガの得意分野なんです。そういう意味では、介護が必要な方に最も適したリハビリ方法と言えるかもしれません。
死者のポーズ。
まず、力を入れてみましょう。全身に力を入れて、手足を棒のようにします。そして一気に力を抜いてください。
両手両足を少し開いて目を閉じ、どこかに力が入っていないか観察してください。もし力が抜けていない部分があったら、意識的に抜いてみましょう。
力を入れるときは、手足をベッドから離すような気持ちで行います。
力を入れて抜くのを3回で1セットとして、朝夕に行う。
これ以上できないというところから先ができるようになることがあります
たとえ脳に損傷部分があっても、諦めないでください
。失われた部分が回復することはありませんが、損傷していない部分が損傷部分をカバーすることはできます。
脳の仕組みは近代科学でかなり解明されてきていますが、それでも未知の部分が多いのも脳の特徴です。
リハビリの専門家に「これ以上回復しない」と言われたら、これ以上は良くならないと思い込んでしまうかもしれません。しかし、これも絶対ではありません。
ヨガを実践していると、これ以上できないというところから先ができるようになることがあります。戻らないはずの機能が戻る可能性もあるのです。ただ単に動かすのではなく、ヨーガのポーズに近づける意識と、それに合わせた呼吸が効果を高めます。
これ以上動かないという時にも、そこからほんの少し先まで動かそうという意識をしっかりと持つことで、可能性が広がります。
ヨーガを行うときは、たとえベッドの上であっても、清浄な空気のヒマラヤ山中のつもりで行いましょう。
それだけで気分も良くなり、回復効果も高まる。
目を閉じて数字を描く瞑想
楽な座り方で目を閉じたら、目の前をしっかり確認する。目の前のスペースの確認ができたら、そこに数字を描く。
数字をイメージするのではなく、「描き出す」というのがポイントです。
- アラビア数字の「1」なら、上から下へ1本の線を描く。
- 「10」なら、その「1」の右隣に「0」を描く。
いきなり「10」という数字をイメージするのではなく、「1」を描いてから「0」を描いていくというプロセスを、目の前のスペースにしっかりと再現してください。1から100までを1セットとして行うと、集中力や粘り強さが身につきます。黒板や紙に書くようなつもりで行ってください。
書いた数字を消したり紙をめくったりする代わりに、目を閉じた状態で瞬きを使います。軽く瞬きをすると、目の前が一瞬ページをめくったようにリセットされる感じがします。瞬きのタイミングはいつでも構いません。
焦らず丁寧に描いてください。実際に試してみると、数字を描こうと思っても目の前に数字が現れないことの方が多いはずです。けれども、基礎的な練習法ができていなければ、本当の意味での深い瞑想体験は得られません。難しくても練習を続けてください。
目の前に現れる色彩と模様を利用します。多少ギザギザであっても、上から下へ一本の線になるような色彩や模様を見つけて、それで「1」を描き出します。そうすれば、単にイメージして描いたつもりになるのと違って、明らかに目の前に一本の線が出現することになります。
その要領で「2、3、4、5」と続けてください。この方法を続けていると、目の前の色彩や模様を自分の意思で動かすことができるようになります。
精神力は挫折したり、萎えたりしない力であり、粘り我慢すること、大変なことに立ち向かっていくことのできる力。
精神力を鍛え向上させる最良の方法は、自分で自分を鍛えることです。自分でもう我慢できない、もう少し粘れる、というような状況を作れば、精神力の向上が図れるようになります。一番のポイントは、もうダメだと思う瞬間です。その瞬間に諦めてしまうと精神力は向上しません。その瞬間をほんの数秒でも耐えることが、強靭な精神力を生みます。
ただし、もうダメだと思った時に「やめることができない状態」の場合には、精神力は鍛えられません。例えば病気などで一日中痛くてつらい状態が続いたりする場合がそうです。これはただただ我慢するしか選択肢がないので、自分で自分を鍛えることにはなりません。そういう時には、意識の持ち方を変えるようにします。「冗談じゃない、とても無理だよ」と思いながら、仕方なくリハビリをこなすのはつらいものです。
しかし、「頑張ったらできるようになるかな。よし、集中力と精神力の訓練にいいチャンスだ」と思って積極的に取り組めば、楽しくできるようになります。しかも、そういう意識を持って行えば、本当に今日中に目標をクリアできるかもしれません。
半信半疑で励ましてくれた介護者を驚かすのも楽しいものです。つらいリハビリや運動を課せられたときに、「チャンスだ」とばかりに自分の能力を試してみるようにしていると、本当につらいことというのはなくなります。
逆に少しきついリハビリや運動があると、積極的にやるようになるでしょう。そして気づいたら、強靭な精神力の持ち主になっているのです。
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