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世界2.0 メタバースの歩き方と作り方 要点メモ

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ニコラ・テスラの研究「空気を伝って電気を送電させる研究=無線送電」資金を打ち切られて頓挫したが2015年に三菱重工が実験成功。将来、静止軌道上に太陽光パネルを設置し、宇宙で発電した電力をマイクロ波により地球に送り、地球上で再び電気に変換することが計画されている。

ニコラ・テスラは早すぎた。だから、半歩先のタイミングが重要。メタバースは今がまさにそのタイミング。

未来を予測できるだけではダメ、体制も重要。持たざるものは強い

新しいテクノロジーは突如大きく伸びる。上場企業を経営していた著者は、仮想通貨取引所の買収のチャンスがあったが取締役会で反対されてチャンスを逃した。NFT事業をやっていたが、こちらも取締役会で反対されて投資拡大できず、他社への売却となった。

人間は背景などにはさほど違和感を感じないが、人の顔、表情などには違和感を感じやすい。

リアルにしすぎると不気味に感じる不気味の谷現象というものがある。リアルにするのであれば、違和感を感じないくらいリアルにする必要がある。

近い将来、AIでアバターやメタバース世界を生成できるようになる

縦文字の看板があるとアジアっぽさが感じられる

車道と歩道の間にちいさな樹木を設置してあげるだけで、日本っぽさ、東京っぽさが感じられる(中国や韓国にはそのような風景はないため)
このような日本っぽさなども自分で分析する必要はなくなる。AIに日本っぽい街を作ってとオーダーすればよくなる。

ミラーワールド(現実世界をリアルタイムで反映したメタバース空間)もいずれ可能になる。

上空と地上でとった映像を元にリアルタイムでメタバース世界を生成する。これを使えば出かける前にどれくらい混んでいるかなどがわかるし、行かなくても、その場を味わえる。

メタバース構築のための3つのアプローチ

  • 1. アバターから先に作り、続いて仮想空間を広げていく 例 REALITY(ライブ配信のビデオチャットからスタート)
  • 2. まず仮想空間を提供し、アバターづくりは後付で充実させていく 例 Cluster、VRChat。バーチャル空間に楽しいライブ会場を作って「みんな集まって」と呼びかけます。デフォルトのアバターはシンプルなデザイン
  • 3. ゲームや映像といったエンタメコンテンツを提供し、そこに集まる人々のコミュニケーションを促進させる 例 Fortnite。近未来に実現しそうなバーチャル・ディズニーランド。キラーコンテンツや資金調達能力に相当余裕が必要。

世界を変える ≒ 新しい生態系を作る

うまく回っている生態系の特徴

  1. 自律的
  2. 有機的
  3. 分散的

実用的価値(儲かること・役に立つこと) > 感情的価値(共感できること・ポジティブになること) > 社会的価値(世の中全体にとってプラスになること)

生産者(価値を作る人)
消費者(価値を感じる人)

鶏が先か卵が先か?

生産者はある程度の消費者がいないところには参加してくれない
消費者は魅力的な生産者がいないところには参加してくれない

  • 解決策1 自らが生産者となり消費者を呼び込む 例 Amazon 本の販売→マーケットプレイス。任天堂 マリオ・テトリス → 他社がソフト開発に参加
  • 解決策2 生産者と消費者の両方を兼ねる存在を見つける 例 ソーシャルメディアでは投稿者は閲覧者を兼ねる。フリマアプリでは売り手は買い手にもなる
  • 解決策3 生産者にとって魅力的な情報や道具を先に提供する 例 Instagramの初期は写真にフィルターをかけるだけの写真加工アプリだった。当時は写真時加工はPhotoshopなどじゃないとできなかった。ユーザーが増えてからSNSへと発展させた。
  • 解決策4 他の生態系に「タダ乗り」する 例 AirbnbはCraigslistをハックして、誰かに家を貸したい顧客にリーチする近道を見つけた。かつてのGoogleは勝手にクロールしてWebサイトの情報を集めて検索結果に表示していた。当時は著作権法的にグレーだった。

生態系の設計者の仕事

  • 1 マッチングの支援 例 Amazonのレコメンド機能
  • 2 信用の可視化。ユーザーが安心して利用できるように。悪意ある行動の抑止力に。
  • 3 違反者へのペナルティ 他人に害を加える参加者を放置しておくと、善良な参加者ほど素早くその生態系からいなくなってしまう
  • 4 自助努力できるための知見や道具の提供 生態系の強みは、参加者が自発的に努力することによって、全体が盛り上がっていく点。成果を出しやすくする環境を整備する。知識とノウハウ、ツールを提供する。例 義務教育 幹部候補をMBA留学させる

生態系を一つの生命のように捉える

  • 1 代謝構造(価値を循環させること)価値をやり取りして循環させる構造
  • 2 相互作用性(参加者同士が交流していること)
  • 3 恒常性(誰かが抜けても全体が変わらないこと)
  • 4 自己組織化(ルールや文化が勝手に作られること)生態系の参加者が増えていくにつれて自然に役割分担がなされ、ルールも自然発生的に形成されていく
  • 5 ホロニック・フラクタル(小さな集団が寄り集まって大きな集団を作ること)
  • 6 成長と進化(環境に適応しながら複雑化していくこと)価値のやり取りが繰り返されるうちに生態系は成熟していき、外部環境に合わせて変化していく
    → 一回作って終わりではなくうまく成長しているかどうか状態をこまめに観察して、必要であればテコ入れを定期的に行っていく。

生態系をより強固にしていくためには?

  • 1 価値の重ね合わせ 実用的価値・感情的価値・社会的価値は実施は参加者によって感じ方が曖昧で、2つもしくは3つの価値を1つが兼ねることがある。生態系の成熟度によっては、扱う価値が変化することもある。お金が儲かるから→感謝されるのが嬉しい。そこで会う人達との交流が楽しい→だからこの仕事をしたい
  • 2 コミュニケーションの促進 例 社員旅行、総会、打ち上げ。村や集落の祭り、儀式
  • 3 ヒエラルキーの存在 ヒエラルキーは一般的にはネガティブなイメージのある言葉だが、ヒエラルキーがあることで参加者同士がコミュニケーションを取りやすくなり、関係性を築きやすくなる。受験生は偏差値、投資家は運用資産額、経営者は会社規模、YouTuberはチャンネル登録者数のようにそれぞれ特定の指標が軸となってヒエラルキーが生まれ、ヒエラルキーをとっかかりに関係性が生まれていく。
  • 4 流動性の確保(固定化の防止) 評価が短期間で更新される「流動性」を確保する。一度優位にたった人の地位がいつまでも固定化されたままだと古くからいる人は優位性にあぐらをかき、新しい人は旨味がなく入ってこなくなる。
  • 5 不確実性の担保 イベントを頻繁に仕掛け、普段見ることがない情報にしょっちゅう触れる機会を作る。自分から遠く離れていたはずの参加者と偶発的に接触できるようにする。参加者にとって不確実なことが、一定の確率で起きるようにする仕組み。

参加者個人を惹きつける仕掛け

  • 1 ランダム・フィードバック 3,4回に一回ぐらいの確率で成果が出るものに人間はハマりやすい
  • 2 届きそうな目標の設定 目標を細分化して可視化しておけば、目標達成への継続性が高まり努力しやすくなる
  • 3 難治度のエスカレーション 目の前の作業の難易度が徐々にましていくと、熱中して食いつく性質が人にはある。ゲームも最初のステージはかんたんでだんだん難しくなっていくからハマる
  • 4 社会的相互作用の可視化 周りからどう見られているかがついつい気になる PV数、いいね数、学校でもテストの成績が廊下に張り出されるとモチベーションが変わる
  • 5 進歩している実感の提供 スタンプカード ソシャゲのログインボーナス ポイントカード アイテムを集める ゲーミフィケーション

水が氷に変化するように、生態系においても相転移が起こることがある

生態系に必要なほとんどの要素が揃っていない限り、日々の小さな改善を続けたところで、努力に比例して成果は現れてこない。一方で何かのタイミングで必要十分な仕組みが完成して一度生態系がうまく回り始めると、無機質だった存在がいきなり有機的な生命に変化したかのように、一気に別のものに変わる。
すると、参加者同士の自発的なやりとりが加速していく。そうして生態系が成熟していくと、設計者の仕事は徐々になくなっていく。
生態系が自律性・有機性・分散性を帯び始めると、参加者が次の参加者を呼び込み、指数関数的に成長していく。信用情報が蓄積されていく。鶏が先か?卵が先か?のジレンマとは真逆の好循環が生まれる。これがネットワーク効果。
とはいえ、実際に生態系を構築するのはかんたんではない。何の成果の兆しの出ない日々も改善を続けなければいけない。よって「何年かかっても絶対この生態系を成立させよう」という強烈な意志が求められる。
経済合理性を超えた設計者の「意志」と、それを形にするための「知識」と、成果が出なくても改善を繰り返し続ける「忍耐」が同時に求められる。

20世紀は論理的に考えて行動する力が求められた。21世紀はそれに加えて新しい世界を想像する力が求められている。

現代は、VUCA(Volatitility(不安定さ)・Uncertainty(不確実さ)・Complexity(複雑さ)・Ambiguity(不明確さ)の時代。
VUCAの傾向が強まれば強まるほど、生態系は威力を発揮していく。なぜならば、生態系は複雑で不安定で不確実な環境でこそ、本領を発揮するから。外部環境や内部環境が激しく変化しても柔軟に適応し、同質性・恒常性を維持し続けられる。これが生態系の構造。
論理的思考は現代社会では基本スペックになっているが、それ以前の人間にしたら魔法のようなスキル。しかしながら、当たり前のように論理的思考力を扱うようになれば、さらに複雑で難易度の高い力が求められるようになる。
生態系を作るためには、現実世界の構造を理科した上で概念として同じものを再現してあげなければならない。現実世界の構造をまるごと再現する生態系構築力は、現実世界を分解して、その一部を改善する論理的思考力の上位互換のようなスキルです。
今後生態系を作る能力は、「世界を変えたい」という特殊な願望を持つ人だけでなく、組織のリーダーになるような人には当たり前に求められてくる素養になるはずです。

20世紀は物理世界で衝突。21世紀は複数世界で並存

データとアルゴリズムの影響の増加

メタバースでは、どこを見ているか、何を手に持ったかなど、身体的なデータも取れる。データの量と種類が増えればアルゴリズムの精度は増す。

ユヴァル・ノア・ハラリは、「人類はアルゴリズムの奴隷になっていく」と予想。アルボリズムを使いこなす一部の人間は神のような存在(ホモ・デウス)になり、大半の人は彼らが作り出したアルゴリズムの奴隷になるだろう。これはディストピアだろうか?
法律もアルゴリズムの一種。議会が作り出すアルゴリズムを法律と呼び、コンピュータが作り出すアルゴリズムをAIと呼んでいるだけであって、昔から人類はアルゴリズムに従って社会を運営してきた。

近年、この法律による国家運営にも限界が見えてきている。

テロ・環境問題・コロナ禍では、一つの国で起きた問題が世界中へ波及。
「事実であるか」よりも「自分が納得できるか」に重きを置く人が増えている → フェイクニュース、陰謀論、ファシズムの温床
議員が民意を正しく吸い上げ、議会で適切な政策や法律を作ることができるという前提が揺らいでいることに他ならない。
世界は新しい価値観を必要としている → かつて「王」の上に「法」を置いたように、今度は「法」の上に「AI」や「アルゴリズム」を置くという新しい考え方が必要になってくる。「上に」といっても、法律を定める場合にコンピュータが膨大な学習によって作り上げたアルゴリズムをまず先に参考にしよう、というぐらいの意味合い。
現実世界の複雑さはすでに人間の個体の認知能力を大幅に上回っている。単純な世界の問題は法律で対応できるが、複雑化した世界の問題ではAIの力を借りる必要がある。
私たちは「目的地までのルート」「人気のレストラン」を調べる時にコンピュータのアルゴリズムが導き出した答えを参考に、最終的に自分で意思決定している。国家も同じようにすればいい。
この国家運営法に名前をつけるならば、「アルゴリズム民主主義」または「アルゴリズム・デモクラシー」あたりだろうか。

メタバースはアルゴリズムが制御する未来の社会の「実証実験」の場になることが予想される。
今までメタバースは現実世界を模倣して作られたが、未来ではメタバースで実証実験した世界のあり方を現実世界が模倣していくという逆の流れが起き得る。

シミュレーション仮説

アインシュタインと一緒に相対性理論を作ったジョン・ホイーラーは晩年に自伝で「(宇宙の本質は)最初、全ては粒子であると考え、次にすべては場であると考え、いますべては情報であると思っている」と語っている。

コンピュータの計算能力向上は必須

ムーアの法則が崩壊してCPUの性能向上がストップしても現在のほとんどのWebサービスは困らないが、メタバース分野は事情が異なる。よりリアルな世界を表現しようとすると計算量が跳ね上がるため。
量子コンピュータは今の所、一般的な用途では使えないが、この壁を超えると地球規模の仮想世界を一瞬で生成して何億人という人の相互作用を処理できるようになるかもしれない。

生命的システム

システムを作り出すシステム、AIを作り出すAIは自己進化・自己再生・自己複製を行うようになり、生命のように勝手に進化、増殖していく性質を持ち始めるかもしれない。→ 仮想世界を作り出す仮想世界。仮想空間もYouTubeやTikTokのようにユーザーの好みに合わせてパーソナライズされた空間が生成されるかもしれない。

バーチャル・タイムトラベル

現実世界をコピーして時間単位で保存しておけば、過去のその時点での空間に移動することができる。つまりメタバースにおける「時間」とは実施に移動できる一つの「次元」もしくは「方向」を指すことになる。過去のホームビデオを見るように、過去の空間に移動して当時を追体験できる。

 - 社会

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6 × = 五十 四

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